私は娘なのに…94歳母が入居する施設でまさかの門前払い!財産を独り占めしたいがために68歳の実兄がとったあり得ない暴挙の中身【相続の専門家が解説】

私は娘なのに…94歳母が入居する施設でまさかの門前払い!財産を独り占めしたいがために68歳の実兄がとったあり得ない暴挙の中身【相続の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

65歳のRさんは、2人きょうだいの妹。亡くなった父の会社を引き継いだ兄に対し、実家から離れた場所に嫁いだ彼女は子育てに励んでいました。そんな中、施設に入った94歳の母を訪ねようとしたところ、施設は「お兄さんから(Rさんには)会わせるなと言われているので会わせられません」の一点張り。どうやら財産の独り占めを狙う兄が、一向に母親に会わせまいとするのです。せめて母が元気なうちにもう一度会っておきたいRさん……。彼女がとれる対策について、相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、弁護士からの回答もあわせて詳しく解説します。

母親に会わせてもらえない!?

相談に来られたRさんは、兄と2人きょうだいの妹です。地方都市に住む父親は建築関係の会社を創業し、3つ上の兄も父親の会社で一緒に仕事をしていました。

 

当然ながら、父親が亡くなった際は兄が会社を継ぎました。一方、Rさんは実家から飛行機で行かなければならない距離のところに嫁いだので、父親の会社を手伝うこともできず、会社周りのことは兄夫婦に任せてきました。

 

父親が亡くなったのは10年前。遺言書はなかったので、母親と兄、Rさんの3人で遺産分割協議をしなければなりませんでした。しかし、兄がすべて取り仕切って手続きをしましたので、母親もRさんも言われるまま実印を押し、印鑑証明書を渡したとのことでした。

 

兄は父親の会社を継いでいますので、会社関係の土地や株を相続し、母親の住む実家も相続。母親とRさんには上場株と現金を渡した程度で済ませました。

 

それだけでも兄の横暴さがわかりますが、Rさんの相談というのは、「兄が母親に会わせてくれないので、方法はあるか」ということでした。

 

母親は現在94歳。父親が亡くなった頃は元気でしたが、80代半ばを過ぎた頃に骨折をして入院することに。入院中はRさんも定期的に通って母親の様子を見てきましたが、病院でのリハビリをしたうえでも、いままでの自宅での一人暮らしには戻れないという判断で、介護施設に入所しました。

 

しかし、母がどこの施設に入ったかについては兄はいっさいRさんに教えてはくれませんでした。

兄から止められているので会わせられない

実はRさんは子どもの受験や行事等で1カ月ほど病院に行けないことがありました。ようやく時間が作れて母親が入院する病院に行ったところ、すでに母は退院したあとでした。

 

愕然としたRさんでしたが、「お兄さんに口止めをされているので」と、病院も母がどこの施設に移ったかは教えられないと言うのです。それもでもなんとか食い下がったRさん。なんとか施設名と場所を聞き出すことができました。

 

その足で施設に行ったRさんですが、今度は施設側が「お兄さんから(Rさんには)会わせるなと言われているので会わせられません」との一点張り。兄にも連絡しましたが、「とにかく会わせられない」と許可をしてくれず。

 

それから現在まで約4年。コロナの期間も影響はしていますが、いまだに母親に会えずじまいだといいます。母親は94歳。人生100年時代とはいえ、いつ相続になってもおかしくない年齢です。亡くなる前にもう一度会っておきたいというのがRさんのご希望でした。

 

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