叔母の面倒を一緒に看てきた叔母の妹・母が急死…相続人は全部で10人!?叔母は姪宛ての相続を希望…それでも養子縁組より公正遺言証書が得なワケ【相続の専門家が解説】

叔母の面倒を一緒に看てきた叔母の妹・母が急死…相続人は全部で10人!?叔母は姪宛ての相続を希望…それでも養子縁組より公正遺言証書が得なワケ【相続の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

母と一緒に母の姉である伯母の面倒を看てきた真理子さん(仮名)。伯母は母と真理子さんへの財産相続を希望していたものの、ある日母が急死…全部で10人いる相続人のなかから真理子さんへの相続を実現させるための方法には養子縁組と公正遺言証書の作成、二つの方法があるそうで。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)はどちらの方法を提案したのでしょうか。

配偶者を亡くした伯母には子どもがいない

45歳の女性・真理子さん(仮名)が相談に来られました。母親の姉にあたる94歳の伯母の相続のことでどうすればいいか迷っているとのことで、事情を聞いてみました。

 

伯母は配偶者を亡くして一人暮らしをしていましたが、90代を過ぎて自宅での生活が大変となり、現在は老人ホームで暮らしているといいます。その伯母には子どもがなく、伯母が亡くなった時の相続人はきょうだいしまいになります。

 

伯母は6人きょうだいの一番上の長女で、下に長男、次男、次女、三女、四女の5人がいますが、そのうち健在なのは真理子さんの母親を除くと次男だけで他は全員亡くなっているそうです。真理子さんの母親は一番下の四女にあたります。

面倒を看ていた妹が先に亡くなる

真理子さんの母親は一番下ということもあり、伯母とは一回り以上も離れています。伯母も一番下の妹ということで、真理子さんの母親をいちばん可愛く思っていたようで、ずっと交流がありました。そうしたことから真理子さんも伯母のことはとても身近な存在だったと言えます。

 

真理子さんの母親は、伯母が80代になる頃から定期的に通ってはいろいろと面倒を看てきました。伯母もそんな妹を頼りにして預金の管理など任せてきました。

 

ところが、そんな母親が脳梗塞で急死してしまったのです。母親が亡くなったことによってその子であるМさんも伯母の代襲相続人になったというわけです。

伯母の相続人はきょうだいと甥姪で10人!

伯母の配偶者は5年前に亡くなり、公正証書遺言により、妻である伯母が夫の全財産を受け取ることができて、いまは叔母の財産になっています。

 

伯母の財産は自宅マンション、賃貸している区分マンションが4部屋、そしてアパートが1棟。すべて合わせて不動産評価は6400万円。預金が3000万円あり、合わせた伯母の財産は9400万円と試算できました。

 

伯母はもともと6人きょうだいですが、伯母と次男以外の4人がもう亡くなっています。その子が代襲相続人となりますので、法定相続人は長男の子2人、次男、次女の子2人、三女の子2人、四女の子3人(Мさんは四女の長女)で10人となります。

伯母の面倒は亡き母親と真理子さん家族が看てきた

伯母がひとり暮らしになってからは真理子さんの母親が毎週マンションに行ってはお金の管理や賃貸物件の管理をサポートしてきましたので、伯母は自分の財産は真理子さんの母親か、姪の真理子さんに託したと常々言ってくれていました。

 

真理子さんは独身で、実家で両親と同居していますので、母親が伯母さんのマンションに行くときには一緒に行き、掃除や買い物を手伝っていました。ですから伯母の発言は自然な流れだと言えます。

 

真理子さんの妹二人は離れたところに嫁いでいて、伯母の面倒を看る余裕がないため、伯母の意向に関しては異論はないと言います。

 

健在の伯父は80代と高齢で伯母のところに行くこともできず、他の代襲相続人は離れたところに住んでおり普段の行き来がないことから、今後、伯母の介護を引き受けてくれる見込みはありません。

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