物価高の中においても、料金満足度は向上
2021年に始まった官製値下げ以降、携帯電話業界ではより安価な料金プランが多く登場したが、端末代と通信契約のセット値引きを禁止する法改正や、昨今の物価上昇によるユーザーの節約志向の高まり等の中、携帯料金に対する顧客の目は厳しさを増している。
しかし、そのような中においても業界全体の「各種費用」の満足度は向上している。2021年の「各種費用」の業界全体スコア(1,000点満点)は573ポイントであったが、本年調査では620ポイントとなり、+47ポイントと大きな改善が見られている。
前述のとおり、大手キャリア部門では「各種費用」の満足度は年々向上の傾向にあるほか、MVNO部門においても前年から向上している。新規事業者の参入やポイント経済圏競争が激化していく中、昨今の各社による新しい料金プランの提供は携帯電話市場全体の料金評価の改善に寄与していることがうかがえる。
一方で、携帯電話各社においては、通信品質の維持や5Gネットワークの拡大に向けたインフラ投資も必要とされており、収益改善やARPUの向上が至上命題となっている。このため、携帯電話契約に加えエンタメ・金融等の非通信系サービスの契約獲得の重要度も増している。
店舗やコールセンターといった従来の顧客接点チャネルも活用しながら、効果的なキャンペーンや特典提供によって、携帯外収入の増加や経済圏ビジネスの更なる強化が求められる。