私は娘なのに…94歳母が入居する施設でまさかの門前払い!財産を独り占めしたいがために68歳の実兄がとったあり得ない暴挙の中身【相続の専門家が解説】

私は娘なのに…94歳母が入居する施設でまさかの門前払い!財産を独り占めしたいがために68歳の実兄がとったあり得ない暴挙の中身【相続の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

65歳のRさんは、2人きょうだいの妹。亡くなった父の会社を引き継いだ兄に対し、実家から離れた場所に嫁いだ彼女は子育てに励んでいました。そんな中、施設に入った94歳の母を訪ねようとしたところ、施設は「お兄さんから(Rさんには)会わせるなと言われているので会わせられません」の一点張り。どうやら財産の独り占めを狙う兄が、一向に母親に会わせまいとするのです。せめて母が元気なうちにもう一度会っておきたいRさん……。彼女がとれる対策について、相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、弁護士からの回答もあわせて詳しく解説します。

「兄が母親に会わせない行為は妹の権利を侵害する行為にあたる」弁護士の見解

今回のRさんのケースについて、夢相続の業務提携先の弁護士法人に確認したところ、以下のような回答が得られました。

 

「妹が母親に会う権利があるかについては、母親の意思や状況にもよりますが、母親が高齢で介護が必要な状態にある場合、子供が必要な介護をするために面会交流を希望することは当然のことです。明らかにに母親の意思に反していたり、母親の平穏な生活を侵害する虐待があったり、母親の権利を不当に侵害するものでない限り、子どもは母親に面会する権利があります。つまり、妹を母親に会わせることが、母親の権利を不当に侵害するものでない限り、兄が母親に会わせない行為は妹の権利を侵害する行為にあたる可能性があります」ということです。

 

今できる法的手続きなどはあるのでしょうか?

 

「現時点で、できる法的手続きとしては、話し合いが可能なのであれば、まずは『親族関係調整調停』を申し立てることが考えられます。しかし、調停での話がうまくいかない場合、そもそも調停での話し合いが難しい場合などは、妹が母親に会える権利を前提とした、兄に対して『侵害行為の妨害排除請求』、または、『妨害予防請求』の裁判を申立てることが考えられます」

 

「ただ、裁判には時間がかかりますので、上記『妨害排除請求』または『妨害予防請求訴訟』を申立てることを前提として、仮地位の仮処分を申立てることが現実的でしょう。

 

仮処分とは、訴訟での解決を待っていたのでは権利を保護することなどが難しい場合に暫定的に権利を認めるもので、訴訟に比べて手続きが早く進み、訴訟で実現するのとほぼ同様の請求を実現できるというものです。実際に母親に会わせてもらえない子どもが申し立てて仮処分が認容されているケースもあります」

 

上記が弁護士からのアドバイスですが、今でも方法があることをRさんにお伝えしました。

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