8月の小売売上高「+0.1%」…市場予想に反し、引き続き堅調
⽶商務省が公表した2024年8⽉の⼩売売上⾼は前⽉⽐+0.1%と、減少するとの市場予想(同▲0.2%)に反して増加しました(図表1)。
加えて、7⽉が速報値の前⽉⽐+1.0%から同+1.1%へ上⽅修正されている点を踏まえても、個⼈消費は引き続き堅調さを維持していると判断されます。
8⽉の⼩売売上⾼を業種別にみると、家具(前⽉⽐▲0.7%)や電気製品(同▲1.1%)などの必需品やガソリンスタンドの販売(同▲1.2%)が伸び悩む⼀⽅で、インターネット通販などの無店舗⼩売(前⽉⽐+1.4%)の伸びが顕著となりました(図表2、図表3)。
8⽉は多くの業種で減少が⽬⽴つなか、ウェイトの⼤きい無店舗⼩売が全体をけん引しました。変動の⼤きい⾃動⾞同部品などを除いたコア⼩売売上⾼も前⽉⽐+0.3%(7⽉:前⽉⽐+0.4%)と4ヵ月連続でプラスとなり、堅調さを維持しています。
四半期ベースでは、2024年1~3⽉期の前期⽐+0.3%から4~6⽉期に同+0.8%へ加速したあと、7~8⽉期は4~6⽉期対⽐で+1.2%へ伸びを⾼める格好となりました。
2024年4~6⽉期の実質GDP(改定値)は前期⽐年率+3.0%と、個⼈消費がけん引する形で⾼成⻑が実現しました。
GDPのうち、個⼈消費の推計に⽤いられるコア⼩売売上⾼が7⽉以降も堅調さを維持している点は、7~9⽉期も個⼈消費主導の⾼い成⻑率が実現することを⽰唆しています。
7⽉の⼩売売上⾼を反映したGDPNow※(アトランタ連銀が9/17に公表)の試算によると、7~9⽉期の実質GDPは前期⽐年率+3.0%と4~6⽉期に続き、2%程度とされる潜在成⻑率を上回る成⻑が続くと予想されています。
(※) アトランタ連邦準備銀⾏が、リアルタイムに⽶国の経済成⻑率を予測することを⽬的に公表している指標