(画像はイメージです/PIXTA)

不安定ながらも円高傾向が続く値動きのなか、「円安トレンド」の転換が予感される現在、「米ドル円」に対する世の中の関心はかつてないほどに高まっています。そこで、来週の米ドル円相場の動向に影響を与えそうな、先週の米国経済の動きについて、東京海上アセットマネジメントが解説します。

8月の小売売上高「+0.1%」…市場予想に反し、引き続き堅調

⽶商務省が公表した2024年8⽉の⼩売売上⾼は前⽉⽐+0.1%と、減少するとの市場予想(同▲0.2%)に反して増加しました(図表1)。

 

[図表1]⼩売売上⾼の推移
[図表1]⼩売売上⾼の推移

 

加えて、7⽉が速報値の前⽉⽐+1.0%から同+1.1%へ上⽅修正されている点を踏まえても、個⼈消費は引き続き堅調さを維持していると判断されます。

 

8⽉の⼩売売上⾼を業種別にみると、家具(前⽉⽐▲0.7%)や電気製品(同▲1.1%)などの必需品やガソリンスタンドの販売(同▲1.2%)が伸び悩む⼀⽅で、インターネット通販などの無店舗⼩売(前⽉⽐+1.4%)の伸びが顕著となりました(図表2、図表3)。

 

[図表2]⼩売売上⾼の内訳
[図表2]⼩売売上⾼の内訳

 

[図表3]⼩売売上⾼(主要業種別)の推移
[図表3]⼩売売上⾼(主要業種別)の推移

 

8⽉は多くの業種で減少が⽬⽴つなか、ウェイトの⼤きい無店舗⼩売が全体をけん引しました。変動の⼤きい⾃動⾞同部品などを除いたコア⼩売売上⾼も前⽉⽐+0.3%(7⽉:前⽉⽐+0.4%)と4ヵ月連続でプラスとなり、堅調さを維持しています。

 

四半期ベースでは、2024年1~3⽉期の前期⽐+0.3%から4~6⽉期に同+0.8%へ加速したあと、7~8⽉期は4~6⽉期対⽐で+1.2%へ伸びを⾼める格好となりました。

 

2024年4~6⽉期の実質GDP(改定値)は前期⽐年率+3.0%と、個⼈消費がけん引する形で⾼成⻑が実現しました。

 

GDPのうち、個⼈消費の推計に⽤いられるコア⼩売売上⾼が7⽉以降も堅調さを維持している点は、7~9⽉期も個⼈消費主導の⾼い成⻑率が実現することを⽰唆しています。

 

7⽉の⼩売売上⾼を反映したGDPNow(アトランタ連銀が9/17に公表)の試算によると、7~9⽉期の実質GDPは前期⽐年率+3.0%と4~6⽉期に続き、2%程度とされる潜在成⻑率を上回る成⻑が続くと予想されています。

(※) アトランタ連邦準備銀⾏が、リアルタイムに⽶国の経済成⻑率を予測することを⽬的に公表している指標

 

次ページ注目のFOMC…FRBは「0.5%」の大幅利下げを発表

※本連載は、東京海上アセットマネジメントのレポート『〜TMAMマーケットウィークリー(9/9〜13)~』より一部を抜粋し、再編集したものです。
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