コアCPIは根強いインフレ圧⼒…⼤幅な利下げ観測が後退
⽶労働省が公表した2024年8⽉の消費者物価指数(以下、CPI)は、前年⽐+2.5%、7⽉(同+2.9%)から伸びが⼤きく鈍化し、2021年2⽉以来の低い伸びとなりました(図表1)。
⾷料品(7⽉:前年⽐+2.2%→8⽉:同+2.1%)の伸びがほぼ横ばいとなるなか、エネルギー(7⽉:前年⽐+1.1%→8⽉:同▲4.0%)が下落に転じたことが、CPIを⼤きく押し下げました。
⼀⽅、変動の⼤きい⾷料品およびエネルギーを除くコアCPIについては、前年⽐+3.2%(7⽉:同+3.2%)と、インフレ圧⼒の根強さが⽰されました。サービス、特にウェイトの⼤きい住宅関連(7⽉、8⽉:前年⽐+4.4%)が、コアCPIを⾼⽌まりさせる要因となっています。
コアCPIについて、瞬間⾵速を映す前⽉⽐でみると、+0.28%と0.2%台であるものの、4⽉(+0.29%)以来の伸びを⽰し、インフレ圧⼒が完全に解消されていないことが⽰されました(図表2)。
また、FRBが注⽬する基調的なモメンタムを⽰す6ヵ⽉前⽐年率値(7⽉:+2.84%→8⽉:+2.68%)の伸びは鈍化したものの、3ヵ⽉前⽐年率値(7⽉:+1.58%→8⽉:+2.06%)は反発した格好となっています。
コアCPIの内訳をみると、コア財は前⽉⽐▲0.17%と7⽉(同▲0.32%)から下落幅を縮⼩させたものの、6ヵ⽉連続のマイナスとなっており、インフレ沈静化の動きが継続していることを⽰唆しています(図表3)。
品⽬別では、家庭⽤品(前⽉⽐▲0.27%)や娯楽⽤品(同▲0.23%)などがマイナスとなったほか、⾐料品(同+0.26%)、新⾞(同+0.05%)はプラスに転じたものの、均してみれば下落傾向にあります。