(画像はイメージです/PIXTA)

不安定ながらも円高傾向が続く値動きのなか、「円安トレンド」の転換が予感される現在、「米ドル円」に対する世の中の関心はかつてないほどに高まっています。そこで、来週の米ドル円相場の動向に影響を与えそうな、先週の米国経済の動きについて、東京海上アセットマネジメントが解説します。

コアCPIは根強いインフレ圧⼒…⼤幅な利下げ観測が後退

⽶労働省が公表した2024年8⽉の消費者物価指数(以下、CPI)は、前年⽐+2.5%、7⽉(同+2.9%)から伸びが⼤きく鈍化し、2021年2⽉以来の低い伸びとなりました(図表1)。

 

[図表1]CPI、コアCPIの推移
[図表1]CPI、コアCPIの推移

 

⾷料品(7⽉:前年⽐+2.2%→8⽉:同+2.1%)の伸びがほぼ横ばいとなるなか、エネルギー(7⽉:前年⽐+1.1%→8⽉:同▲4.0%)が下落に転じたことが、CPIを⼤きく押し下げました。

 

⼀⽅、変動の⼤きい⾷料品およびエネルギーを除くコアCPIについては、前年⽐+3.2%(7⽉:同+3.2%)と、インフレ圧⼒の根強さが⽰されました。サービス、特にウェイトの⼤きい住宅関連(7⽉、8⽉:前年⽐+4.4%)が、コアCPIを⾼⽌まりさせる要因となっています。

 

コアCPIについて、瞬間⾵速を映す前⽉⽐でみると、+0.28%と0.2%台であるものの、4⽉(+0.29%)以来の伸びを⽰し、インフレ圧⼒が完全に解消されていないことが⽰されました(図表2)。

 

[図表2]コアCPIのモメンタムを示す指数
[図表2]コアCPIのモメンタムを示す指標

 

また、FRBが注⽬する基調的なモメンタムを⽰す6ヵ⽉前⽐年率値(7⽉:+2.84%→8⽉:+2.68%)の伸びは鈍化したものの、3ヵ⽉前⽐年率値(7⽉:+1.58%→8⽉:+2.06%)は反発した格好となっています。

 

コアCPIの内訳をみると、コア財は前⽉⽐▲0.17%と7⽉(同▲0.32%)から下落幅を縮⼩させたものの、6ヵ⽉連続のマイナスとなっており、インフレ沈静化の動きが継続していることを⽰唆しています(図表3)。

 

[図表3]コアCPI(前月比)の内訳
[図表3]コアCPI(前月比)の内訳

 

品⽬別では、家庭⽤品(前⽉⽐▲0.27%)や娯楽⽤品(同▲0.23%)などがマイナスとなったほか、⾐料品(同+0.26%)、新⾞(同+0.05%)はプラスに転じたものの、均してみれば下落傾向にあります。

 

次ページ米国労働市場…需要の減速が鮮明

※本連載は、東京海上アセットマネジメントのレポート『〜TMAMマーケットウィークリー(9/9〜13)~』より一部を抜粋し、再編集したものです。
【ご留意事項】
・当資料は、情報提供を目的として東京海上アセットマネジメントが作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。お申込みに当たっては必ず投資信託説明書(交付目論見書)をご覧の上、ご自身でご判断ください。投資信託説明書(交付目論見書)は販売会社までご請求ください。
・当資料の内容は作成日時点のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
・当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に掲載された図表等の内容は、将来の運用成果や市場環境の変動等を示唆・保証するものではありません。
・投資信託は、値動きのある証券等(外貨建資産に投資する場合には、この他に為替変動リスクもあります)に投資しますので、基準価額は変動します。したがって、元本が保証されているものではありません。
・投資信託は金融機関の預金とは異なり元本が保証されているものではありません。委託会社の運用指図によって信託財産に生じた利益および損失は、全て投資家に帰属します。
・投資信託は、金融商品取引法第37条の6の規定(いわゆるクーリング・オフ)の適用はありません。
・投資信託は、預金および保険契約ではありません。また、預金保険や保険契約者保護機構の対象ではありません。
・登録金融機関から購入した投資信託は投資者保護基金の補償対象ではありません。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録