(※写真はイメージです/PIXTA)

核家族化と高齢化が加速する現代、高齢の単身世帯は増加の一途をたどっています。「タワマン孤独死」という言葉も取り沙汰されるなか、老後は誰とどこで生活するのがベストなのでしょうか。CFPでFP事務所MIRAI代表の山﨑 裕佳子氏が、事例をもとに検証します。

“終の棲家”を選ぶ際は「介護」を視野に入れて

今回の道子さんは、幸いなことに購入したタワマンを売却することができ、また潤沢な資産があったことから、介護施設の選択肢も十分にありました。その一方で、費用面から在宅介護や、比較的負担の軽い公的な介護施設を選ぶしかないという人も数多くいます。

 

生命保険文化センターの調査によれば、介護に要する費用の月額平均は、在宅介護の場合は平均4.8万円ですが、施設介護の場合平均12.2万円に跳ね上がります

※ 介護保険の自己負担金を含む

 

「介護施設」のキホン

なお、老人ホームなどの施設は、「公的介護施設」と「民間介護施設」に区別できます。

 

公的施設は、地方公共団体や社会福祉法人、医療法人が運営元となっています。道子さんが選んだ有料老人ホームは民間施設で、民間企業が運営しています。

 

【公的介護施設】

・特別養護老人ホーム(特養)

・介護老人保健施設(老健)

・介護医療院

・軽費老人ホーム(ケアハウス)

 

【民間介護施設】

・介護付き有料老人ホーム

・住宅型有料老人ホーム

・グループホームサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

 

民間介護施設は初期費用(入居一時金)が必要な場合が多く、月額料金の相場も公的施設よりも高くなりがちです。いわゆる「高級老人ホーム」といわれる施設では、初期費用として数千万円必要なところが多いようです。

 

施設によって要介護度や受け入れ要件の基準が異なり、認知症の方の場合、受け入れが難しい施設もあるため、あらかじめ確認する必要があります。

 

また、施設によって月額料金に含まれているサービスが異なるため、必ず確認してください。入居先を選ぶ際には、あらかじめ施設を見学し、スタッフの対応や入居者の雰囲気まで含めて体感しておくと、ミスマッチを回避できるでしょう。

 

内閣府の調査では、65歳以上の単身世帯率は2030年には男性20.3%、女性26.9%となる見込みです。また、7人に1人が認知症になるという予測も出ています。

 

一人暮らしの親が認知症になったとき、誰が、どこで、どのように、介護をするのか……親の意向、子の希望、資金面のことなど、あらかじめ家族で共有しておくようにしましょう。

 

いざというときに慌てることのないよう、お金と気持ちの準備が大切です。



山﨑 裕佳子

FP事務所MIRAI

代表
 

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