富裕層担当のベテランの税務調査官がやってきて…
そんなある日、税務調査がやってくることになりました。
噂には聞いていた税務調査がとうとう自分の身にも降りかかってきたのかとドキドキと緊張しながら税務調査の日がやってきました。
調査官は特別国税調査官でした。ベテランのような雰囲気の年配で物腰柔らかい印象の調査官でした。第一印象としては優しそうで、柔らかいように思えるこの調査官こそが、富裕層担当のベテランの調査官です。
調査官は調査に来る前にすでにAさんの過去の確定申告内容、投資の内容、そしてネットの情報も調べていました。Aさんは投資のことについて、SNSなどに情報発信していたのでした。
調査官はそんなAさんのわかり限りのプロフィールを調べ上げて調査にきていたのでした。当然、SNSから垣間見える投資先の状況も把握していました。
というのも、エンジェル税制での投資先は友人の紹介などで出会った経営者などだったので、投資先の経営者ともプライベートに交流をしており、そんな様子も調査官は知っていました。そうして、調査当日、すでに調査官は申告漏れに気付いて調査にきていました。
「この株式譲渡の申告がないようですが?」とピンポイントに数々の指摘を受けました。
Aさんはたくさんの口座開設をしており、一般口座、特定口座も混在していました。そして特定口座もたくさんあったがゆえに、源泉徴収なしでの株式譲渡の申告漏れが多数あることが発覚しました。
さらに恐ろしいことに、エンジェル税制により税制優遇を受けていた投資先の経営が悪化して、損切りをする形で売却した株式譲渡も申告ミスが発覚しました。それはエンジェル税制により投資時に優遇を受けた分については、売却時には、株式譲渡益として認識するということをうっかり忘れており、その分の譲渡益がすべて抜け落ちていたのでした。
Aさんへの最終宣告
本来は3年分遡る調査が通常ですが、Aさんの場合には5年遡ることになってしまいました。そして申告漏れが発覚した5年分の株式譲渡所得はなんと8,000万円、住民税も合わせて約1,700万円の追徴課税となりました。
分散投資をするにも、税務調査のリスクヘッジもしておかないと、思わぬ誤算となります。
木戸 真智子
税理士事務所エールパートナー
税理士/行政書士/ファイナンシャルプランナー
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