銀行員「お父さんに隠し子が」…“不毛な議論”に子を巻き込まないために、余命宣告後の森永卓郎氏が真っ先に着手した「生前整理の最優先事項」

銀行員「お父さんに隠し子が」…“不毛な議論”に子を巻き込まないために、余命宣告後の森永卓郎氏が真っ先に着手した「生前整理の最優先事項」
(※写真はイメージです/PIXTA)

昨年末に膵臓がんであることを公表した、経済アナリストの森永卓郎氏。病院から退院した森永氏がとりかかったのは「生前整理」でした。森永氏の著書『がん闘病日記』(三五館シンシャ発行、フォレスト出版発売)より、自身の父親の財産相続時の苦労と、その経験から辿り着いた、子への相続手続きの際の負担軽減の対策について、みていきましょう。

戸籍謄本を集めるために各地を奔走!

銀行支店を特定できても、さらに高い壁が存在する。

 

私が銀行に父の口座があるかを問い合わせると、銀行は、まず相続人全員の承諾書と父が生まれてから死ぬまでの戸籍謄本をすべて集めてくるように言った。なぜそんなことをしないといけないのかと聞くと、「お父さんに隠し子がいるかもしれないから」と言うのだ。

 

「父に隠し子なんていません」と主張したのだが、銀行は取り合ってくれなかった。父は全国を転々としていたので、戸籍謄本を集めるだけでもたいへんな苦労をした。地方の市役所には手紙を書き、返信用の封筒を用意し、そして戸籍謄本の発行手数料分の定額小為替を同封した。

 

そして、1番手間取ったのが東京都の文京区役所だった。文京区役所の庁舎は、東京大空襲で焼け落ちていた。だから、父の戸籍も焼失して残っていなかった。銀行でその事情を話すと、「文京区役所に空襲で戸籍を焼失したという証明をもらってきてください」と言う。ところが、区役所は「そんな書式は存在しない」と言うのだ。すったもんだの末に、区役所が特別に証明書を発行してくれることになったが、それまでに大きな手間と長い時間がかかった。


 

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※本連載は、森永卓郎氏による著書『がん闘病日記』(三五館シンシャ発行、フォレスト出版発売)より一部を抜粋・再編集したものです。

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