ステージ4の膵臓がん→原発不明がんへ、まさかの診断変更…〈抗がん剤治療〉が不可能となった森永卓郎氏に医師が伝えた「思いがけないひと言」

ステージ4の膵臓がん→原発不明がんへ、まさかの診断変更…〈抗がん剤治療〉が不可能となった森永卓郎氏に医師が伝えた「思いがけないひと言」
(※写真はイメージです/PIXTA)

昨年末に膵臓がんであることを公表した、経済アナリストの森永卓郎氏。しかし、再検査の結果、膵臓がんではなく、「原発不明がん」へと診断が変わる衝撃の事態に……。今回、森永氏の著書『がん闘病日記』(三五館シンシャ発行、フォレスト出版発売)より、現在も精力的に執筆活動を継続する森永氏が、原発不明がんへと診断変更されるまでの経緯や、変更後の治療法について、見ていきます。

抗がん剤治療のできない原発不明がんの治療法とは

息子の康平は「そもそも誤診だったのではないのか」と言った。しかし、私はそうは思わない。私はしぶとい性格なので、医師からサードオピニオンを聞いたあとも、複数の医師に診断当時のデータに基づいてどう診断するかを尋ね続けた。そして全員が「すい臓がん」と答えたのだ。つまり、診断を誤ったのではなく、そう診断するしかないデータだったのだ。

 

しかし、血液パネル検査の結果は、診断を根底から覆した。「すい臓がんでなくてよかった」と思われるかもしれない。だが、じつはこの診断変更は、私に大きな困難を突き付けることになった。

 

それまでは、すい臓に病変は見られないものの、原発はすい臓のどこかにあるという診断だった。

 

ところが、新しい診断では、原発がどこにあるのかまったくわからないということになった。それまでも手術と放射線治療はできなかったのだが、そこにすい臓がん向けの化学療法(抗がん剤治療)もできないことになってしまったのだ。

 

しかし、診断をした医師から思わぬ言葉が発せられた。

 

「原発不明がんの場合、保険適用でオプジーボが打てますよ」

 

オプジーボというのは、ノーベル賞を受賞した京都大学の本庶佑特別教授が発見した「がん免疫治療薬」だ。

 

抗がん剤は、直接がん細胞を攻撃して消滅させようとする。一方、オプジーボは、免疫の力を回復させることで、がんへの攻撃力を回復させる「がん免疫療法」の治療薬だ。

 

がん細胞は、免疫細胞の働きにブレーキをかけて攻撃から逃れているが、オプジーボはそのブレーキを解除する効果を持ち、免疫細胞が再びがんを攻撃できるようにする。

次ページがん治療に有効な「オプジーボ」の働きとは…

※本連載は、森永卓郎氏による著書『がん闘病日記』(フォレスト出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

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