(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢者とくらべて重い税・社会保障負担を強いられている若者世代を救うため、「社会保険料の引き下げ」を求める声も少なくありません。しかし、こうした意見は“財務省の思うツボ”かもしれません。経済アナリストの森永卓郎氏が“決死の覚悟”で執筆した著書『書いてはいけない 日本経済墜落の真相』(三五館シンシャ発行、フォレスト出版発売)より、世代間の対立を煽る財務省の「ほんとうの狙い」をみていきましょう。

森永氏がピンときた、財務省の「真の目的」

減税を避けたい財務省としては、減税ではなく、社会保障費をカットし、社会保険料を抑制することで国民の負担減を図りたい。だから、「年金をもらいすぎている」と高齢者を悪者にして世代間対立を煽ることで、社会保障カットを正当化したいのではないか。

 

現に財務省は、毎年の概算要求の段階で、毎年の骨太の方針のなかで、社会保障費総額の上限を決めている。その範囲内で社会保障給付を行なわなければならない厚生労働省は毎年、医療や介護、年金制度を改悪し続けている。

 

私はそうしたやり方には反対だ。少子化が止まらないのも、どんどん老後の見通しが暗くなっているからだ。未来の高齢者の暮らしがみじめなものだったら、誰が子どもを産もうとするのだろうか。

 

今、日本では猛烈な勢いで税収が増え、減税の余力が高まっている。だから、社会保険の改悪ではなく、消費税減税を行ない、国民の負担減を図ればよいのだ。そうすれば消費が増えて経済が成長し、さらに税収増につながっていくはずなのだ。

 

 

森永 卓郎

経済アナリスト

獨協大学経済学部 教授

 

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※本連載は、森永卓郎氏の著書『書いてはいけない 日本経済墜落の真相』(フォレスト出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

書いてはいけない 日本経済墜落の真相

書いてはいけない 日本経済墜落の真相

森永 卓郎

フォレスト出版

筆者がテレビやラジオなど、メディアの仕事をするようになって四半世紀以上が経過した。その経験のなかで、メディアでは、けっして触れてはいけない「タブー」が3つ存在した。 (1)ジャニーズの性加害 (2)財務省のカル…

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