(※写真はイメージです/PIXTA)

投資の情報が溢れる今、歴史に名を残した人たちの「金言」から投資の本質を知ることも大切です。本記事では『株式投資 100の金言』(さくら舎)から一部抜粋し、著者の〈桑原晃弥氏〉が、ジェシー・リバモア、ジョージ・ソロスなどの金言を基に、彼らが投資で大勝負をする前にしていたことをご紹介します。

試し玉を活用すべし

相場の行方が不透明な時や、変化を感じ取りながらも確信が持てない時など、新たな動きが生じたことを知るために行うのが「試し玉」です。

 

「世界三大投資家」の1人ジョージ・ソロスの特徴は、金融市場の上昇・下降プロセスを見つけ出すために金融市場を観察し、トレンドが変化する転換点を見抜いて大きな賭けに出ることで大きな利益を手にするところにあります。

 

とはいえ、ソロスは単に市場を見るのではなく、「仮説を立て、市場で試す」ことで転換点を見つけていました。

 

ある時、ソロスは部下にこんな指示を出します。「3億ドルの債券を買いたいから、5,000万ドル相当をまず売ってくれ」「買いたい」のになぜ「売る」のか疑問に思った部下が理由を尋ねたところ、ソロスの答えは「まず市場の感触をつかみたい。もし簡単に売れるようなら、簡単にこれらの債券がさばけるようなら、もっと買いを入れたい。だが、売りに苦労するようなら、買い手に回るべきかどうかは疑問だ」というものでした。

 

ソロスは分析に長けた投資家でしたが、市場は「論理」だけで動くのではなく、非論理的な動きをすることもよく知っていました。仮説を立ててまず試す。ソロスは一発勝負よりは「試し玉」によって己の正しさを確信してから初めて大きな勝負に出ていました。

 

 

桑原晃弥
経済・経営ジャーナリスト

 

 

 

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株式投資 100の金言 ―先人はかく成功した

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桑原 晃弥

さくら舎

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