「鵜(う)の真似をする烏(からす)、水に溺れる」
相場格言というよりは諺(ことわざ)です。鵜飼いで知られるように鵜は魚を獲ることを得意にしていますが、鵜に姿かたちが似ている烏がその真似をして水に入って魚を獲ろうとすると溺れてしまう、という意味で、自分の能力や適性を考えずに人の真似をすると失敗することになるという教えです。
ピーター・リンチはプロ中のプロと言える投資家ですが、リンチが言う成功の秘訣の一つが「もはやプロの言うことに惑わされるな」です。投資の技術や経験、情報量の豊富さという点から、アマチュアがプロに勝つのは難しいわけですが、だからといってアマチュアがプロの推奨する株を買い、プロの言うとおりに売買していれば絶対に成功できるかと言うと、そうではありません。
リンチは言います。「アマチュアが失敗するのはプロの真似をしようと後追いする時だけである」アマチュアがプロの成功を見て、「あの株が買いだ」「今こそ投資の時代だ」と後追いする頃には、たいていブームは後半に差し掛かっています。
アマチュアは機関投資家の真似をする必要もなければ、かといって無理にアマチュアでいる必要もないのです。投資に相応しい株がなければ、時期を待てばいいし、自分がよく知る企業や分野の株に投資すればいい。自分の強みを生かし、自分流に無理をしない投資こそが成功につながるのです。
桑原晃弥
経済・経営ジャーナリスト
※本記事は『株式投資 100の金言』(さくら舎)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】