米大統領選前の株安、トランプ候補は望むところ!?…“もしトラ相場”を乗り切るための「投資行動」とは【マクロストラテジストの見解】

米大統領選前の株安、トランプ候補は望むところ!?…“もしトラ相場”を乗り切るための「投資行動」とは【マクロストラテジストの見解】
(※写真はイメージです/PIXTA)

米大統領選を前にささやかれるトランプ政権の復活。世界経済への影響を考慮すると、ボラティリティの高まりは想像に難くありません。では、こうした不確実性の高まる“選挙相場”において大切な資産を守るためには、どのような行動が求められるのでしょうか。前回のトランプ政権時の経済政策を振り返りつつ、フィデリティ・インスティテュート主席研究員でマクロストラテジストの重見吉徳氏が考察します。

どうなる!? 米大統領選のゆくえ

バイデン氏が撤退を表明、ハリス氏を後継候補に推薦

既報のとおり、米国の大統領選挙では、バイデン大統領が撤退を表明し、ハリス副大統領を後継候補として推薦しました。これを受け、ハリス副大統領は立候補を表明しました。

 

新たな民主党候補になるのはハリス氏になる可能性が高いと見られます。

 

その理由は、①8/19~22の民主党全国大会でバイデン氏に票を投じる予定だった代議員は「バイデン/ハリス選対」に承認された人たち(≒忠誠を誓った人たち)であり、②バイデン以外の候補者は知名度が低く、時間的にもいまから(トランプ氏と戦うための)巨額の選挙資金を集めることは困難であり、③候補として名前が挙がる候補者たちの一部や民主党の幹部はハリス氏への支持表明をしているためです。

 

Real Clear Politicsの全米世論調査集計によれば、「ハリスvs.トランプ」(トランプ+2.0)のほうが、「バイデンvs.トランプ」(トランプ+3.0)よりも差が縮まります。

 

[図表1]は激戦州を含む状況です。ただし、世論調査は当てにならないことに留意が必要です。

 

[図表1]激戦州の世論調査
[図表1]激戦州の世論調査

7/15週の“ほぼトラ相場”が示唆すること

[図表2]に示すとおり、7/15週の1週間は【オレンジの棒】、米国の半導体株式や大型テクノロジー株を中心に、比較的大きな動きとなりました。

 

[図表2](ともに大きく成長した)「4月15日週」と「先週」の主要資産の動き
[図表2](ともに大きく成長した)「4月15日週」と「7月15日週」の主要資産の動き

 

ただし、7/15週の値動き【オレンジの棒】を、インフレ懸念と利下げ後ずれ懸念が高まった4/15週【青の棒】と比べると、①下落は小さく、②上昇しているセクターも確認できます。

 

また、あらためて全体を眺めると、③バリュエーションの高いものほどボラティリティが大きいことがわかります。逆に、たとえば、米国の小型株式は流動性や業績の面でリスクが相対的に高いようにも思えますが、最近のこうした調整局面での変動幅は限定的です。

 

上昇にせよ、下落にせよ、たとえば、今後の「ほぼトラ相場」によって、こうした状況が継続する場合、変動性の大きさ(≒リスク)を嫌う投資家の方は、既存の大型テクノロジー株式への投資に加えて、それら以外のセクターへの分散投資が望まれます。

 

資産を「守る」「増やす」「次世代に引き継ぐ」
ために必要な「学び」をご提供 >>カメハメハ倶楽部

次ページ米半導体株や大型テクノロジー株式の調整はまだまだ続く?

【ご注意】
※本記事は、フィデリティ投信株式会社が提供するマーケット情報『マーケットを語らず』から転載したものです。※いかなる目的であれ、当資料の一部又は全部の無断での使用・複製は固くお断りいたします。※いかなる目的であれ、当資料の一部又は全部の無断での使用・複製は固くお断りいたします。•当資料は、情報提供を目的としたものであり、ファンドの推奨(有価証券の勧誘)を目的としたものではありません。
•当資料は、信頼できる情報をもとにフィデリティ投信が作成しておりますが、その正確性・完全性について当社が責任を負うものではありません。
•当資料に記載の情報は、作成時点のものであり、市場の環境やその他の状況によって予告なく変更することがあります。また、いずれも将来の傾向、数値、運用成果等を保証もしくは示唆するものではありません。
•当資料にかかわる一切の権利は引用部分を除き作成者に属し、いかなる目的であれ当資料の一部又は全部の無断での使用・複製は固くお断りいたします。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧