「派遣社員の不祥事」の典型パターン
我が国の労働者派遣制度は1985年の中曽根内閣の時代に労働者派遣法が成立し、翌年に施行されたあたりから本格的に始まりました。それまでは「フルタイムは基本的に正社員」「転職はほぼなく永年雇用制」といった働き方が一般的。しかし、より多様な労働力を求める企業と、より多様な働き方を求める人材との間で、正規雇用社員の直接雇用を脅かさず、専門的なスキルを持つ人材のスキルアップと活用という名目で労働者派遣制度は始まります。その後、紆余曲折あり、現在では「正社員として採用されなかったため新卒で派遣」という若者や、「人件費削減のため社員を減らし派遣で賄う」という企業が多く見られるようになりました。
また3年を過ぎると同じ派遣先企業の同じ組織では派遣社員として働けなくなったため、雇い止めなどの問題も出てきています。「中抜き」という言葉でしばしば批判される派遣業は、今や当初掲げた「高水準な専門スキルを持つ人材の活用と柔軟な働き方」という理念からは大きく異なっているのが実情だと言わざるを得ません。
そんな中、派遣社員が就業先で問題行動を起こすことも少なからずあります。典型的な例は、次のようなものでしょう。
・求められているスキルや能力に達しておらず、期待された業務遂行ができない
・契約期間満了より前に、辞めたがる。辞めてしまう
・就業先でのルールや規則を守らない
・情報漏洩など、禁止事項を行なってしまう
・派遣社員間、社員との間など、人間関係のトラブル
・備品盗難など着服行為
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