派遣会社、派遣先企業が事前にできるトラブル防止策
一般的なトラブルに際しては、派遣元の担当者が就業先と派遣社員本人から事情を聞いたうえで、契約解除、他の派遣社員との交代など適切な対応をします。また場合によっては、契約解除のうえ、派遣先の企業から「今後は他の派遣会社を利用するので」と今後の取引を断られてしまうこともあります。さらに重大な過失や不適切行為の場合、当該派遣社員によって引き起こされたトラブル、損害について、賠償請求になることもあります。
一方、派遣会社の担当者の言動がむしろ不適切ということもありえます。人材紹介業は他業種に比べても離職率の高い業界であり、すべての人材派遣会社、すべての従業員に問題がないとは言えません。
また派遣制度を利用することにまだ不慣れであったり、コンプライアンスや派遣制度への理解が足りなかったりする企業も見られます。しかしながら顕著な少子高齢化により、新卒や若手の求職は完全に売り手市場となっており、派遣社員を上手に使いこなせるかどうかは、今後多くの企業が生き残っていけるか、ひとつのバロメーターとなるでしょう。
世間から非難を浴びる事件が起こらないよう未然に防ぐにはどうしたらいいか、また自社と価値観の合わない派遣社員を迎え入れない、あるいは折り合いをつけていくためにはどうしたらいいか、対策を講じることは重要です。さらに派遣会社においては、問題のある人物を派遣しないことはもちろん、自社の営業担当など、社員のクオリティを確保することも非常に重要です。
対策は色々考えられますが、ひとつの有効な方法として、バックグラウンドやSNSのチェックが挙げられます。派遣という形態はともすれば、就業先と派遣会社で責任のなすりつけ合いになる傾向があります。
問題が起き、社会的制裁や損失を被って仕舞えば、責任の所在がどこにあろうが、派遣先企業や派遣会社にとってマイナスになることは避けられません。派遣社員に対してもある程度のチェック機能を設けることは、回り回ってコストパフォーマンス、タイムパフォーマンスの良いマネジメントであると言えるでしょう。
特にSNSに関しては、派遣社員や派遣会社担当者の性格やこだわり、仕事に関する情報漏洩、不満などを知る重要なツールであることからも、いずれの事例についても事前にチェックして行っておけばよかったかもしれません。
ただマイナス要素のある書き込みをいわゆる本アカですることは考えられず、別のアカウントで行っていることが十二分にあります。このようなところまで一企業が発見し、チェックするということはあまりにも現実的ではありません。
そこで有効なのが、SNSチェックやバックグランド調査を行うプロ集団。具体的な方法はそれぞれ異なるうえ、企業秘密ではありますが、たとえば本人の学歴や職歴などから、友人のアカウントを特定し、そのなかに本人がいるかを確認したり、怪しいとフラグを立てたアカウントを監視したりと、非常に地道な作業も含めて、調査を行います。SNSが中心の社会では、このような調査を事前に行うことが、人材採用・活用の観点で不可欠といえるでしょう。
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