経営側と従業員。労使問題という言葉があり、労働基準法をはじめさまざまなルールや制約があることからもわかるように、共に企業活動を行う組織の一員でありながら、時には利害が対立することも避けられません。これから紹介するのは、最近SNSなどでもよく見かける内部告発。内部告発は定期的にあり、一部は一般人のイメージと異なる顛末となっています。飲食業界で起きた3つの事例から、会社と告発者、双方の言い分をみていきましょう。

SNSで拡散した「ヤバイ飲食店」

まず一つ目の事例は、とあるラーメン店での話です。2020年のコロナ禍で、あらゆる場での手洗いと消毒用アルコール、マスク着用が徹底されましたが、特に飲食店や食品製造の現場は元から食中毒などを防ぐために衛生管理には気を配っており、コロナが5類になってからもルールを変えていないところが多いです。こちらの会社でもそのように指示していました。ところが店長が反マスク・反コロナ主義だったため、マスクや除菌アルコールの強制を快く思っておらず、トイレ使用、掃除などの後、一回一回きちんと手洗いしなかったり、鼻マスクで調理、接客していることが頻繁にありました。

 

新しく入店したYはその衛生観念の低さに腹を立て、「今日もあの人、鼻ほじった手でそのまま」「トイレしたら手洗ってくれよ!」「もう、OOラーメンは二度と食べれません」など、自身のXに数ヵ月にわたり投稿していました。店の名前を書いていたため、SNSユーザーからクレームが入り会社の知るところとなりましたが、その時にはすでにYさんは退店済みで、当該投稿は四桁に届くリツイートがされてしまっていました。SNSの拡散力たるや、スゴイものです。

 

二つ目の事例は、個人店の寿司店です。一般的な海鮮ネタよりも映える肉寿司とワインのマリアージュを売りにしています。インスタグラムの宣伝効果もあり、集客は上々だったのですが……。実はこのお店の経営者はレストランバーの経験しかなく寿司に関しては素人で、現場では魚と肉で調理器具を分けないなどの問題が見られました。

 

それを見咎めたお客様からの激しいからクレームを受けたアルバイトスタッフのKはその憤懣を、「うちのアホな上に言ってくれよ」「こちらわかる人にはわかる店なんで、どーぞ保健所に通報してください」「もっと怖いネタありますよ」など、某掲示板にあるバイト先の愚痴スレで発散したのですが、なんと経営者が定期行っているエゴサに引っかかったのです。

 

三つ目の事例は、とある居酒屋で起きたものになります。こちらの会社では、従業員が店舗のありかたや業務に問題を感じたときには、直属の上司、またはその上の者に相談し、正当な対応が見られない場合には会社の相談室に電話で報告するという社内規定があります。そして、業務上知り得た情報や、会社の名誉や評価を傷つけるような噂を流布することは禁じられています。

 

ところが、従業員のOさんは、このルールを破ってしまいました。スライスやカットしたレモンは居酒屋のドリンクやフードに欠かせません。前もって切ったものを容器に入れてあるのですが、ある日、その中に大きな虫が混入していました。見つけたOさんがその容器のレモンを廃棄しようとしたところ、上の人から叱責され、そのまま使うように命じられたのです。飲食店に害虫はつきものですが、当該店舗はペストコントロール(人に有害な生物の活動を、人の生活を害さないレベルまでに制御する技術)が甘いのか、従業員の意識が低いのか、冷蔵庫を開けたら中からゴキブリが飛び出てきたり、千切りキャベツのタッパーに虫が混入していたりしたこともありました。また、トイレ掃除では何故か、使い捨てのゴム手袋の使用がNGというルールも。

 

店側に言っても無駄だと感じていたOさんは、虫入りレモン事件の翌日、保健所に匿名通報してしまいました。また、Oさんによる通報を疑い、責めるLINEを送ってきた店長とのやりとりをすべてSNSで晒したのです。

 

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