2.ログの保存期間内に手続きをとる必要があるから
2つ目は、インスタの投稿者を特定するには、ログの保存期間内に手続きをとる必要があることです。インスタや接続プロバイダではログが永久に保存されているわけではなく、一定の期間を過ぎるとログが削除されます。
ログの保存期間はプロバイダによって異なるものの、3ヵ月から6ヵ月程度とされていることが一般的です。この保存期間を過ぎてしまうと、たとえ権利侵害が明白であったとしても、発信者情報の開示を受けることはできません。なぜなら、「ない情報」を開示することはできないためです。
自分で投稿者の特定を行うことは容易ではないとはいえ、時間をかけて1つずつ調べればできると考えるかもしれません。しかし、時間をかけて調べているとその間にログの保存期間が過ぎ、相手の特定が困難となる恐れが高くなります。
なお、ログの保存期間が「3ヵ月から6ヵ月程度」というのは、この期間内に裁判所に手続きを申し立てさえすればよいということではありません。最終的請求が認められ、裁判所からインスタの運営社やプロバイダ開示命令が出るまでをこの期間内にすべて行う必要があるということです。
このように専門的な知見が必要となるため、弁護士へご相談ください。
インスタで相手を特定する流れ
インスタで誹謗中傷などの被害に遭い相手を特定したい場合は、どのような流れで進めればよいのでしょうか? ここでは、相手を特定するまでの基本的な流れを解説します。
1.誹謗中傷などの証拠を保存する
インスタで誹謗中傷の被害に遭ったら、即座に証拠を残しましょう。インスタの投稿は投稿者が削除する可能性があるほか、そもそも24時間で消えてしまう「ストーリーズ」である場合もあり、証拠を残さないと誹謗中傷の証拠が消えてしまう恐れがあるためです。
証拠が残っていないと、投稿者を特定する措置などをとることは困難となります。証拠は、スクリーンショットを撮影して残すことが一般的です。スクリーンショットは、次の事項が漏れなく掲載されるよう撮影してください。
・誹謗中傷投稿の内容
・投稿の日時
・投稿のURL
スマートフォンからでは投稿のURLが正確に表示されないことが多いため、パソコンで撮影することをおすすめします。また、インスタの場合、通常投稿の日時が表示されず、ほかのSNSでは行わない一定の作業を行ったうえで表示させる必要がありますので、可能な限りスクリーンショットを残しておくとともに、直ちに弁護士に相談しましょう。
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