ビジネスや人間関係で致命的な「ムダに話が長い人」という評価…改善するための「効果的な方法」とは【大東文化大学名誉教授が解説】

ビジネスや人間関係で致命的な「ムダに話が長い人」という評価…改善するための「効果的な方法」とは【大東文化大学名誉教授が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

とても長い話を聞いたけど全然記憶に残っていない。こんな経験は誰にでもあるでしょう。実は「長く感じる話」には語彙が乏しいという特徴があります。ビジネスの場で話を理解してもらうために語彙力が欠かせないのはこのためです。ところが、大人になると語彙力を高めるのは難しくなります。一体どうすればいいのでしょうか? 山口謡司氏の著書『言語化100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋した内容から、語彙力を高める方法を見ていきましょう。

語彙力を高めるには「音読」が効果的

質が高い語彙を数多く獲得するためには、他の人の語彙力に学ぶことが効率良く、効果的です。ただし、注意点があります。

 

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①語彙力が高い人の言葉に耳を傾け、「理解してもらう」ための手短で明確な伝え方を体感する。しかし、「理解する」側の自分が、「わかった」「何だ、そうか」といった耳学問程度の集中力では、聞き間違い、覚え間違い、使い方の間違いをしかねません。

 

②優れた語彙力によって磨き上げられた至言の宝庫のような本は、わかりやすいこともあり読み飛ばしてしまいがちです。自分なりに噛みくだき、咀嚼し、消化してはじめて自身の成長の資源となり栄養となりますが、丸呑みや早食いは逆効果です。

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いずれの場合も受け身であることが、問題点となるのです。

 

語彙力が高い人の伝え方から学ぶ際には、耳から入った言葉を自分の脳で受け止め、それを自分の発言に変換することで咀嚼が可能です。上司から指示を受けたら「〇〇を〇〇ですね。〇〇の確認のためですね」と復唱を心がけましょう。意外に思い込みや浅い理解で間違っていることもあります。また用語や言葉、立場の違いからの発言の仕方に問題があれば指摘を得られます。語彙のミスを減らし、正確な学びを助けてくれるでしょう。

 

本を読む際、目で追うだけの「黙読」だけでは、視覚上の把握や意識上での理解であり、他者とのコミュニケーションに必要な言葉の獲得とはズレがあります。正確に話せるか、確実に伝わるかを自己チェックするには「音読」が効果的です。

 

江戸時代、日本では子どもでも識字率が高く、それは寺小屋での学習効果によるものだと言われています。学び方は漢文にひらがなのふりがなをそえた教科書の音読でした。日常会話を文字化する能力ではなく、商売の言葉や作法の心得などを文字で学び、成長の資源とする学習です。未知の知識を視覚と音で捉え、くり返し咀嚼し、理解し、栄養としたのです。

 

現在の生活の中で、常に音読をするのは難しいでしょう。おすすめは小説やビジネス書を音読してくれる配信サービスの利用です。高い語彙力を持つ著者の言葉を、優れた話者による正確な伝え方で受け止めることができます。

 

可能であれば、自分で音読したものを録音し、通勤時や移動の際にその音声を聞き直すのも効果的です。自分の声なのに、自分でもわかりにくい部分に気づくと、素直に直したいと思えるでしょう。自己鍛錬の意識も身につきます。

 

【ポイント】

●他人の語彙力から学ぶのは効果的。しかし学び方には注意。

●自分の「理解する」が正確かどうかを確かめるには、耳で聞く際には「復唱」し、本を読む際には「音読」が効果的。

●自分の音読を自分で聞いてチェックすることで学習効果は高まる。

 

 

【監修】山口 謡司

大東文化大学名誉教授、平成国際大学新学部設置準備室学術顧問

1963年、長崎県に生まれる。フランス国立社会科学高等研究院大学院に学ぶ。ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経る。 著書にはベストセラー『語彙力がないまま社会人になってしまった人へ』(ワニブックス)をはじめ、『文豪の凄い語彙力』『一字違いの語彙力』『頭のいい子に育つ0歳からの親子で音読』『ステップアップ0歳音読』『いい子が生まれる 胎教音読』、監修に『頭のいい一級の語彙力集成』(以上、さくら舎)などがある。

 

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※本連載は、山口謡司氏監修の書籍『言語化100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

言語化100の法則

言語化100の法則

山口 謡司(監修)

日本能率協会マネジメントセンター

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