ビジネスや人間関係で致命的な「ムダに話が長い人」という評価…改善するための「効果的な方法」とは【大東文化大学名誉教授が解説】

ビジネスや人間関係で致命的な「ムダに話が長い人」という評価…改善するための「効果的な方法」とは【大東文化大学名誉教授が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

とても長い話を聞いたけど全然記憶に残っていない。こんな経験は誰にでもあるでしょう。実は「長く感じる話」には語彙が乏しいという特徴があります。ビジネスの場で話を理解してもらうために語彙力が欠かせないのはこのためです。ところが、大人になると語彙力を高めるのは難しくなります。一体どうすればいいのでしょうか? 山口謡司氏の著書『言語化100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋した内容から、語彙力を高める方法を見ていきましょう。

語彙の取得数は25歳頃から減ってゆく

知識をため込むだけでなくアウトプットするための語彙力の必要性と、相手に「理解してもらう」ために必要な語彙力について見て来ました。つまり、語彙力とは、相手を説き伏せたり「論破」したりを目的とするものではなく、他者とのコミュニケーションを円滑にしたり、仕事を正しくスムーズに進行させたり、人と人との協働や共創に欠かせないものなのです。

 

逆に語彙力が「ない」と、周囲からの評価を得られないばかりか、期待されない、または関係性の深まりと反比例して信頼を失うことにも成りかねません。語彙力を高めることは、社会人として認められ、成長し、自己実現を成し遂げる上で必要な能力なのです。

 

語彙力を高めるには、その資源である言葉=語彙の獲得が必要です。英語や日本語、どの言語であっても、人間は小さい頃から自然に語彙を獲得します。しかし、その獲得数は10歳の頃には年間数百語であるのに対し、25歳頃を境に急速に減少してしまうのです。「大人」は平均して年に50語程度となってしまいます。

 

子どもの頃は、成長するため、生きて行くために基本的な言葉をたくさん獲得することが急務です。大人は、それぞれの役割や目的に応じて必要な言葉の獲得へと変化します。この時、専門性や趣味にかかわる語彙を獲得できれば、仕事や人生、他者とのコミュニケーションは豊かなものになって行くでしょう。

 

しかし、大切な50の語彙が、すぐに価値を失う流行りの言葉ばかりなら、5年10年後には「語彙力のない大人」になってしまいます。また、耳学問で「漢字の読み方を間違える」「意味を間違って使う」ことにつながる言葉の覚え方をした場合も「語彙力のない人」という評価しか得られません。

 

質の高い語彙の獲得が、語彙力を高めます。まず、言葉を正確に覚えること。漢字の読み方、言葉の使い方などは、小学校で学んだ時と同じです。新しく知る言葉は、常に調べて、確かめましょう。仕事上の専門用語は知識として正しく覚える機会がありますが、ビジネス用語の外来語やアルファベットの略語は、なんとなく使っていることも多いものです。DX、SDGs、サスティナビリティ…。自分は正しく使えているのかを今からでも調べて確認してください。

 

次にその言葉を「自分の言葉」として使ってみます。そのためには、深い理解と時間をかけた考察が必要です。関連する本を読み、自分で文章に整理することで、正しく語彙を獲得できます。

 

【ポイント】

●大人が1年間に獲得できる語彙は50語程度。

●語彙力を高めるためには、質の高い語彙の獲得が必要。言葉を正しく覚え、正確に使えるようにする。

●語彙を調べて確認し、理解した上で、自分の言葉として使う。

次ページ語彙力を高めるには「音読」が効果的

※本連載は、山口謡司氏監修の書籍『言語化100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

言語化100の法則

言語化100の法則

山口 謡司(監修)

日本能率協会マネジメントセンター

【日本人は「言葉にして伝える訓練」が不足している!】 「自分の考えをまとめるのが苦手」「言いたいことはあるのに言葉にならない」「何を言いたいのかわからなくなってしまう」「ありきたりな感想しか言えない」…などなど…

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