メチャクチャしんどい…相続問題が長引く4つのパターン「相続人同士が疎遠・遺留分に問題あり・遺言書が疑わしい・資産の使い込みあり」【弁護士も警戒】

メチャクチャしんどい…相続問題が長引く4つのパターン「相続人同士が疎遠・遺留分に問題あり・遺言書が疑わしい・資産の使い込みあり」【弁護士も警戒】
(※画像はイメージです/PIXTA)

少子化、高齢化の進展や、単身者の増加などにより、相続のスタイルも変化しています。今回は、とくに相続問題に発展しやすい事例のうち「長期化しやすいケース」について、法律的見地から具体的な解決方法を探ります。不動産と相続を専門に取り扱う、山村法律事務所の代表弁護士、山村暢彦氏が解説します。

遺言書があっても、トラブルが防ぎきれないケース

遺言書がある場合、被相続人が遺産の配分を指定できるため、基本的に、相続は非常に簡易に進められることができます。

 

しかし、遺留分までも綺麗に定めておくのはむずかしく、場合によっては裁判所で「遺留分侵害額調停」「遺留分侵害額請求訴訟」といった調定と訴訟手続きをして終わらせることもあります。

 

具体的にどのようなケースがあるのでしょうか。

 

◆不動産が絡むと、遺産分割はどうしても不公平になりがち

「遺留分を綺麗に定められない」ケースの多くは、不動産が関連しています。遺言書が作成された10年前・20年前と、現在の不動産の評価が異なっているというのがひとつの理由です。

 

路線価や公示地価等、その当時に参照できる国の基準から計算式を書いておけばどうにかなるのかもしれませんが、筆者が知る限りそのような遺言書は見たことがなく、いくら計算式をもとに細かく定めても、本当に円満解決できるかは不明です。

 

相続トラブルにおいて、不動産の「評価」に関する問題はどうしても発生しやすく、また、ややこしくなりがちです。なかには「揉めないことって、本当にあるのでしょうか?」とおっしゃる相談者の方もいらっしゃいますが、それでも事前対策は、やらないよりやった方が圧倒的にいいといえます。

 

◆亡くなる瀬戸際の手書きの遺言「これ、本当に本人が書いたの…?」

遺言書があるケースでのトラブルは、たいてい「遺留分の請求」で終わるのですが、大変なのは「遺言書無効確認訴訟」を起こすケースです。

 

公正証書遺言といって、公証役場で作成した遺言はキッチリと隙なく作成されますが、亡くなる瀬戸際に被相続人自身が震えるような字で書いたものは偽造の疑念をもたれたり、認知症の疑いがある場合は、遺言書そのものの信ぴょう性が問われることもあります。

 

それにより、遺言書無効確認訴訟へと発展することになります。

 

◆財産の使い込みが疑われるケースは、解決まで長期化しがち

もうひとつ、長期化するケースとしてあげられるのが「財産の使い込み」です。これは着地まで想像以上に長引きます。

 

何年分もの通帳履歴を出し、それをすべて追及することになりますが、大体の場合、本当に使い込んでしまっていてお金が戻せません。また、使い込んでしまっている人からの反発もあり、決着まで2年、3年とかかることも多く、非常にストレスが大きくなります。

次ページこじれる前にどうにかしておかないと…

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