(※写真はイメージです/PIXTA)

LINEには、オープンチャットという機能があります。このオープンチャットへ投稿したら、投稿者が誰なのか特定されるのでしょうか? また、オープンチャットで誹謗中傷などの被害に遭った場合、相手が匿名であっても法的措置をとることはできるのでしょうか? 本記事では、オープンチャットでの投稿者の特定や誹謗中傷の被害に遭った場合の対応などについて、Authense弁護士が詳しく解説します。

オープンチャットで個人が特定される「発信者情報開示請求」

オープンチャットで個人の特定が可能である「発信者情報開示請求」とは、どのような手続きなのでしょうか? ここでは、発信者情報開示請求についての概要を解説します。

 

なお、後ほど詳しく解説しますが、この手続きは弁護士に依頼して行うことが一般的です。そのため、詳細までを理解する必要はなく、概要を知ったうえで、お困りの際は早期に弁護士へご相談ください。

 

「発信者情報開示請求」とは?  

発信者情報開示請求とは、自分を誹謗中傷したり脅迫したりした相手が誰であるのか、特定するための手続きです。

 

誹謗中傷などの権利侵害がされた場合は、相手に対する損害賠償請求や刑事告訴などができる可能性があります。しかし、誰だかわからない相手に対して損害賠償請求をしたり、誰だかわからない相手を刑事告訴したりすることは原則としてできません。

 

そこで、これらの法的措置に先立って相手の特定が必要となります。オープンチャットの投稿者に関する発信者情報開示請求は、次の2段階で行うことが原則です。

 

1.オープンチャットを運営するLINEヤフー株式会社から、投稿のIPアドレスやタイムスタンプの情報を入手する

2.「1」で得た情報をもとに、相手が接続に使ったプロバイダ(NTTやSoftbankなど)からプロバイダ契約者の住所や氏名などの情報を入手する

 

ただし、これらについて任意にLINEヤフー株式会社やNTTなどに請求しても、開示してくれる可能性はほとんどありません。そのため、発信者情報開示請求は裁判上の手続きによって行うことが原則です。

 

発信者情報開示請求などについて定めている「プロバイダ制限責任法」の改正法が2022年10月から施行されています。これにより、先ほどの「1」と「2」を一本の手続きで行える制度が創設されました。そのため、オープンチャットの場合には当該制度を利用するのがよいでしょう。

 

発信者情報開示請求がされる主な場面  

オープンチャットで気に入らない投稿がされたからといって、すべてのケースで発信者情報開示請求が認められるわけではありません。発信者の情報開示が認められるのは、請求者が開示対象者から権利侵害をされたことが明白である場合に限られます。発信者情報開示請求は、次の場面などで行われます。

 

・対象者から誹謗中傷(名誉毀損や侮辱など)をされた場合

・対象者から脅迫された場合

 

やみくもに発信者情報開示請求をしても認められない可能性が高いといえます。開示が認められる見込みが高いかどうかについて、あらかじめ弁護士へご相談ください。

 

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※プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

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