まとまらない話し合い…強制的に着地させる方法は?
では、どうやってこの手のトラブルを解決すればいいのでしょうか?
最も典型的な方法として、「遺産分割調停」という、裁判所を利用した話し合いベースの手続きを進めていくことがあげられます。
遺産分割調停には裁判官も関与しますが、基本的には、手続きに関する調整手続調停委員の方が間に入り、話し合いをベースに解決を図ります。
上述の事例で調停をするならば、兄が調停委員に「支払う代償金は2,000万円でいいと思います」と述べ、次に弟が「あの土地は価値が高いから、やっぱり5,000万円もらわないと割に合いません」と調停委員に伝える…というように、調停委員を介して話し合いを続け、調整していくことになります。
それでも話がまとまらない場合は、最終的にもう少し強制的な手続きで「遺産分割審判」という、裁判とかなり類似的な性格を持つ、「強制的解決」を図る手続を行うことになります。
その際、不動産の評価が折り合わないときには、この遺産分割審判のなかで、裁判所が依頼を出した不動産鑑定士に鑑定評価を出してもらい、それに従って強制的に遺産を分ける、という方法で着地させるケースが多くなります。
このような点から、いずれ「被相続人」の立場になる立場の方は、相続人がつらい思いをしないよう、よく考えて対策を立てておくことが重要なのです。
(※守秘義務の関係上、実際の事例と変更している部分があります。)
山村法律事務所
代表弁護士 山村暢彦
★相続トラブルの原因となりがちな類型とは?こちらをチェック!
《前編》【相続】「うちは、揉めないよ。」と、思っていたのに…。トラブルになってしまう実例紹介とその解決方法
本稿執筆者が特別講演!>>12/4開催
相続紛争の増加の原因は?/建設事業者の倒産事情etc.
2024年「不動産・建築・相続・事業承継」総まとめ
富裕層だけが知っている資産防衛術のトレンドをお届け!
>>カメハメハ倶楽部<<
カメハメハ倶楽部セミナー・イベント
【12/10開催】
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
―税務調査を録音することはできるか?
【12/10開催】
不動産「売買」と何が決定的に違うのか?
相続・事業承継対策の新常識「不動産M&A」とは
【12/11開催】
家賃収入はどうなる?節目を迎える不動産投資
“金利上昇局面”におけるアパートローンに
ついて元メガバンカー×不動産鑑定士が徹底検討
【12/12開催】
<富裕層のファミリーガバナンス>
相続対策としての財産管理と遺言書作成
【12/17開催】
中国経済×米中対立×台湾有事は何処へ
―「投資先としての中国」を改めて考える