今、「会社の寿命」がどんどん短くなっているという事実をご存じでしょうか。また、「大企業に入社=一生安泰」という時代も過去のものとなりました。本記事では、木村勝氏による著書『会社を辞めたいと思った時に読む セカンドキャリアの見つけ方』(ビジネス教育出版社)から一部抜粋し、これまでのキャリアの常識とこれからのキャリアの常識を比較し、どのように変わっていくのかを解説します。
どんどん短くなる会社の寿命
企業の栄枯盛衰のサイクルは、急速に短くなっています。「日経ビジネス」(2013.11.4号)の調査を見ると、会社の寿命(会社が旬な時期をある前提のもので計算したものです)が1983年の調査では30年だったのに対して、2013年時点では、18.07年まで短くなっているという結果が示されています。30年間で12年も短くなっているのです。
2013年以降でも2015年に国連で持続可能な開発目標(SDGs)が採択されるなど企業を取り巻く環境の変化はますます大きくなっています。
私がキャリアの大半を過ごした自動車産業でもガソリンから電気への動力源シフトや自動運転対応など、20世紀初頭に登場したT型フォードから100年を超える時代の総変化量を凌ぐほどの大変革の波がこの10年の間に押し寄せています。
この会社の寿命ですが、こうした技術革新や人口動態の変化、新たな新興国の躍進などにより、今後さらに短くなることが予想されます。
22歳で新卒入社して現在雇用義務が課されている65歳まで43年間あります。さらに高年齢者雇用安定法で努力義務とされている70歳までは48年間もあります。前述の調査のように会社の繁栄期が18年であれば、入社した会社で定年まで一社で栄華を満喫することはとても不可能です。
荒っぽい計算ですが、会社で生涯常に日の当たるキャリアを歩み続けるためには、時代の流れを読み切る千里眼をもって、かつ適切なタイミングで70歳までに2.7回(48年/18年)のキャリアチェンジを重ねていく必要があります。
杉原 杏璃 氏登壇!
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
(入場無料)今すぐ申し込む>>
人事総務インディペンデント・コントラクター(独立業務請負人)、ライフデザイン・アドバイザー(ビューティフル・エージング協会認定)、電気通信大学特任講師(2014年~)、行政書士(杉並支部所属)
1961年東京板橋区生まれ。
一橋大学社会学部卒業後、1984年日産自動車に新卒で入社、長年人事畑を歩み続ける。2006年社命により日産自動車を退職し、全員が人事のプロ集団という関連会社に転籍。中高年のセカンドキャリアをサポートする部門の部長としてセカンドキャリア支援業務(出向・転籍・転職等)に従事。2011年所属する会社がM&Aにより外資系企業に買収され、それを契機に真剣に自分のセカンドキャリアを考え始める。
2014年一度の転職経験のない状態から独立し、「リスタートサポート木村勝事務所」を開設。特定人材紹介会社に所属することなく、ニュートラルな立場でキャリア相談に精力的に取り組み、自分の会社の人事部には相談できないサラリーマンのキャリアの悩みに対して個人面談やセミナーなどを通じて支援している。また、30年間で培った知見をもとに独立後も企業内人事部に籍を置き、面接、研修などの人事業務サポートや日々発生する人事課題に対応する現役の人事マン(独立業務請負人)の顔を持つ。
著書に、『働けるうちは働きたい人のためのキャリアの教科書』(朝日新聞出版)、『知らないと後悔する定年後の働き方』(フォレスト出版)、『ミドルシニアのための日本版ライフシフト戦略』(WAVE出版、共著)、『老後のお金に困りたくなければ 今いる会社で「“半”個人事業主」になりなさい』(日本実業出版)がある。
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載「会社を辞めたい」と思ったときに取るべき行動を徹底解説