離婚直後の再婚
離婚後、すぐに再婚することはできるのでしょうか? はじめに、男女別にまとめて解説します。
男性の場合
男性には、もともと再婚禁止期間の制限はありません。そのため、離婚後すぐにでも再婚することが可能です。
女性の場合
従来、女性には再婚禁止期間が設けられていました。女性の再婚禁止期間は、平成28年(2016年)5月31日以前では6ヵ月間でした。その後短縮されたものの、離婚後100日間は原則として再婚できませんでした。
しかし、婚姻などについて定める民法が改正されたことにより、令和6年(2024年)4月1日以降は、女性も離婚後すぐに再婚することが可能となっています。
女性だけに離婚後の再婚禁止期間が設けられていたワケ
これまで女性に再婚禁止期間が設けられていた最大の理由は、子どもの嫡出推定の規定の重複を避けるためです。「嫡出」について平たくいえば、「父親が誰であるか」ということです。
日本では代理出産は法制化されておらず、ある女性から生まれた子は、法律上も当然にその女性の子どもとして扱われます。一方で、男性がある子どもの父であることを生物学的に証明しようとすると、DNA鑑定などをするほかありません。しかし、DNA鑑定をしなければ父子関係が確定しないとなると、手続きが煩雑となるうえ、子どもの立場が不安定なものとなるおそれがあります。
また、DNA鑑定の精度が高まったのは最近のことであり、従来はいまよりもハードルが高いうえ精度もさほど高くありませんでした。
そこで設けられているのが、嫡出推定規定です。嫡出推定規定があることで、DNA鑑定などをしなくても生まれた子どもの父親を自動的に決めることが可能となり、子どもの権利が安定しやすくなります。子どもの権利の安定を目的とする規定であるため、その趣旨に照らせば、父親の推定が重複する事態をできるだけ避ける必要があります。
そして、再婚禁止期間について、令和6年(2024年)3月31日までは次の規定が適用されていました。
・婚姻の成立の日から200日を経過したあと、または婚姻の解消もしくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する
この規定に照らすと、仮にある女性が前夫Aと離婚し同日に別のBと再婚できてしまえば、子どもの父親の推定はそれぞれ次のようになります。
1.Aとの婚姻前に懐胎(妊娠)し、Aとの婚姻後200日経過前に生まれた子:推定規定が働かない
2.Aとの婚姻後、200日経過後に生まれた場合:Aの子と推定される
3.Aとの離婚かつBとの再婚後、200日経過前に生まれた場合:Aの子と推定される
4.Aとの離婚かつBとの再婚後、200日経過後300日以内に生まれた場合:Aの子であると推定され、同時にBの子であるとも推定される(推定の重複)
5.Aとの離婚かつBとの再婚後、300日経過後に生まれた場合:Bの子と推定される
法律が特に問題とするのは、このうち「4」のケースです。そこで、女性に再婚禁止期間を設け、このような推定の重複ができるだけ起きないよう調整されていました。
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