元夫婦の4割が「性格の不一致」と回答…「相手が超わがまま」は〈離婚の理由〉になるのか?【弁護士の回答】

元夫婦の4割が「性格の不一致」と回答…「相手が超わがまま」は〈離婚の理由〉になるのか?【弁護士の回答】

「性格の不一致」が原因で離婚に至る人は非常に多いです。そもそも「相手がわがまますぎる」などを理由に離婚することはできるものなのでしょうか? 本記事では、Authense法律事務所の弁護士白谷英恵氏が、性格の不一致を理由とする離婚にまつわる諸問題について解説します。

「性格の不一致」とは?

離婚をしたい理由の上位である性格の不一致とは、どのような状態を指すのでしょうか? はじめに、性格の不一致の例と、実際に性格の不一致が原因で離婚をした夫婦の割合を紹介しましょう。

 

性格の不一致の例

夫婦間の性格の不一致の例には、次のものが挙げられます。

 

・子の養育方針に関する違い

・金銭感覚の違い

・宗教観の不一致

・政治思想の不一致

・休日の過ごし方に関する不一致

・仕事に関する考え方の不一致

・居住環境に関する考え方の不一致

・老後の生活に関する考え方の不一致

・食事のマナーに関する考え方の不一致

 

特に、子の養育方針に関する不一致や宗教観の不一致、金銭感覚の不一致などがある場合には、折り合いがつかず、婚姻関係の継続が非常に困難となる場合が多いでしょう。

 

これらの性格の不一致のなかには、婚姻期間前には気づきにくいものも存在します。また、たとえ違和感があったとしても、新婚であるうちはそこまで気にならないかもしれません。しかし、夫婦となり生活を積み重ねていくなかで、不満が溜まっていく可能性があります。お互いに譲らない状況が続けば、結果的に離婚に至ってしまうケースもあるでしょう。

 

性格の不一致が原因で離婚をしている割合

性格の不一致が原因で離婚している割合は、どの程度なのでしょうか?

 

裁判所が公表している婚姻関係事件を申立ての動機別にまとめた統計(令和2年度)によると、裁判所が関わって婚姻関係事件の件数(総数:5万8,969件)のうち、「性格が合わない」が実に2万5,544件であり、全体の約43.3%を占めています。次いで、「精神的に虐待する」が、1万4,107件(約23.9%)です。

 

これは、申立人のいう動機のうち主なものを3個まで挙げる方法で調査重複集計したものですが、少なくとも離婚原因の1つに「性格が合わない」を挙げているケースが非常に多い現状が伺えます。

 

なお、これはあくまでも調停など裁判所に対して婚姻関係事件の申立てをしたケースにおいて、カウントされた統計であり、裁判所を通さずに離婚が成立した「協議離婚」は含まれていません。

 

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