2024年上半期は3年ぶりに下落も、首都圏マンション価格は依然高額なまま
不動産経済研究所2024年4月2日に発表した資料によると、東京23区における2023年度新築分譲マンションの戸当たり価格の平均は、1億1,483万円。中央値でも8,200万円と高額です。2013年は平均価格が5,853万円だったため、10年で約2倍になりました。m2あたりの単価は161.1万円です。つまり坪単価は531.6万円ということになります。
1億円超の住宅ともなると、もはや平均的な年収の会社員世帯には手が届きません。世帯年収1,500万円~2,000万円程度のいわゆるパワーカップルが、ペアローンを借りてやっと手に入れられるかどうかという水準です。そのパワーカップルでも子供の教育費や老後への備え、今後の金利上昇などを考慮すると決して安全な買い物とはいえないのが実情です。
なぜマンション価格は高額なのでしょうか。
・供給戸数の減少
・地価の上昇
・外国人投資家の参入
原因として主にこの4つが挙げられます。特に外国人投資家の存在は大きく、円安を背景にしたマンションの「爆買い」よって、相場を引き上げたものと分析されています。その外国人投資家の多くを占めるのが中国人富裕層です。
中国人富裕層が日本のタワマンに投資する理由
中国人富裕層はなぜ日本のタワマンに投資するのでしょうか。理由のひとつに、中国国内の景気が急速に悪化していることが挙げられます。
・ゼロコロナ政策で傷ついた経済からの復活が遅れていること
・不動産バブルを抑制するための政策によって大手不動産会社がデフォルトに陥り実質的に破綻の状態にあること
・莫大な数の企業が倒産し若年層の失業率が非常に高い状態にあること
上記の原因などにより、中国国内に投資をするのは極めてリスクが高いと考えられています。そのため、外国の不動産への投資に魅力を感じているようです。特に日本は円安であり外国人にとって不動産価格がバーゲン状態になっています。社会情勢が安定し自由が保障されている国です。なにより日本の不動産は外国人であっても所有権を永続できるのです。多少利回りが低いとしても安全な投資先であるといえます。
中国では国外送金に制限が掛けられ、年間5万ドル(760万円程度)までとされています。しかも海外での不動産投資のためという理由では許可されないといいます。しかし親族の名義を活用するなどによって送金を行い、日本の不動産を現金で買い進めているのが実情です。投資用の場合は利回りだけをチェックして内見せずに買う場合も多いようです。まさに富裕層の爆買いそのものです。金額も買い方も、とても日本の不動産投資家は敵わない迫力があります。