(※写真はイメージです/PIXTA)

業績が成長しているだけでは、短期間で何倍にもなるような「大化け株」を期待するには力不足です。成長しているにもかかわらず、まだ市場からそれにふさわしい評価を受けていない「変化×評価不足」な株こそ、ビッグチェンジが狙える企業なのです。本記事では『決算書3分速読から見つける10倍株ときどき50倍株 2年で資産を17.5倍に増やした元証券マンの投資術』(KADOKAWA)から、著者の〈かぶカブキ氏〉が、彼自身の実体験を通して具体的に、いかに「大化け株」を発見し、評価・分析して、投資判断をしているのか、詳しく解説します。

「変化」×「評価不足」はどんな形で表れるのか

どんな銘柄を選べば「50倍株」になるのでしょうか。それは、「成長しているのに、その成長にふさわしい評価を受けていない企業」を見つけることです。

 

例えるなら、バイト月収5万円の学生だったA君が、年収2,000万円も夢ではない超一流企業に内定するようなビッグチェンジが企業の中で表れたとき。それこそが絶好の投資タイミングです。

 

そんなビッグチェンジは、具体的にどのような形で企業に表れるのでしょうか。企業の業績の急改善は、主に以下の4つのパターンで表れます。

 

パターン1:環境の変化

近年の例でいえば、新型コロナウイルスの感染拡大は大きな環境の変化でした。感染拡大期はもちろん、そこから元の生活に戻っていくことや経済回復も大きな環境の変化となり、それが大きな追い風になる企業もあれば、逆風となる企業もあります。

 

急激な原材料高や半導体不足、為替市場の変動なども同様に、大きな追い風を受ける企業が出てきます。

 

パターン2:国策・金融政策の変化

「国策に売りなし」という相場の格言があります。政府がなんらかの政策をスタートすることで、特定の産業や業種に強力な追い風が吹くことがあります。こうした恩恵を受ける企業に対しては、買い目線で攻めるのがセオリーです。

 

さらに、政府の政策以上に重要な変化となるのが、中央銀行による金融政策の変化です。もし、日銀がこれまで長い間継続してきた低金利政策を変える動きが見られれば、市場に与える影響は非常に大きくなります。

 

また、世界中の金融市場に強い影響力を持つ米中央銀行FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策や姿勢の変化も、注目しておく必要があります。

 

パターン3:M&A、子会社化

その企業だけでは成長性がじり貧だった企業でも、特殊な技術を持つ企業や有望なスタートアップを買収して傘下入りさせることで、成長期待が大幅に高まることがあります。

 

既存事業と買収先のビジネスを掛け合わせることで、大きな競争力が生まれることもあります。

 

パターン4:新製品、新薬、新事業、新サービスの伸び

企業が画期的な新製品や新サービスをリリースしたタイミングや、新規事業が急成長をしているような局面は、業績に変化が表れ始めます。

 

こうした面が顕著なのは製薬会社です。特に、研究や投資が先行して赤字続きだった新興のバイオベンチャーの新薬が承認されたといったニュースは、株価に劇的な変化をもたらします。

 

A君の例は、パッとしない学生が大手企業に就職が決まるというビッグチェンジが生まれたにもかかわらず、まだ実際に就職していないために周囲からの「評価不足」が生じていました。

 

同様に、企業が稼ぐ金額が一気に増えたり、そうなることが予想されたりするときに、株価の評価が追いつかないケースが生まれます。

 

このタイミングで買い出動すると、その後グングンと株価がその評価不足を埋めるような値動きをすることが多いのです。この一連の動きは「株価の水準訂正」といわれます。

 

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