(※写真はイメージです/PIXTA)

業績が成長しているだけでは、短期間で何倍にもなるような「大化け株」を期待するには力不足です。成長しているにもかかわらず、まだ市場からそれにふさわしい評価を受けていない「変化×評価不足」な株こそ、ビッグチェンジが狙える企業なのです。本記事では『決算書3分速読から見つける10倍株ときどき50倍株 2年で資産を17.5倍に増やした元証券マンの投資術』(KADOKAWA)から、著者の〈かぶカブキ氏〉が、彼自身の実体験を通して具体的に、いかに「大化け株」を発見し、評価・分析して、投資判断をしているのか、詳しく解説します。

株価の評価不足は、決算から発見できる

こうしたビッグチェンジがもたらす企業の業績変化が可視化されるのが、決算です。四半期決算は、まずは「決算短信」という書類で公表されます。後から(同じ日の場合もある)四半期報告書、あるいは有価証券報告書という正式な書類が出てきますが、まずは速報的な決算短信を見ておけばOKです。

 

決算短信で最も重要な個所は1ページ目です。その期間の企業活動の実績といえる損益計算書の、「売上高」「営業利益」「経常利益」「当期純利益」という各項目の数字が示されます。

 

特に注目すべきは、売上高と営業利益です。

 

「売上高」は、その企業が商品やサービスを売って得た金額です。ただし、この売上高を受け取るまでには、商品を仕入れたり人を雇ったりオフィスの家賃を払ったりと、さまざまな費用がかかっているので、最終的に残る利益はこれらの費用を順に差し引いて計算していきます。

 

材料の仕入れなどにかかる費用が「売上原価」で、それを差し引いたのが「売上総利益」です。そこから、従業員の給料やオフィスの家賃などの経費である「販管費」を差し引いたのが「営業利益」です。営業利益は本業での活動で得られた利益なので、投資家はこの数字に注目します。

 

この営業利益から、為替損益や利子など本業とは直接関係しない費用や利益を差し引いたのが「経常利益」です。さらに、子会社や不動産を売却した際の利益や損失など特別損益を除き税金を払って最後に会社に残ったお金が「当期純利益」になります。株主への配当はこの当期純利益から支払われます。

 

決算短信では、まずは売上高と営業利益に注目します。その期間の実績数値に加えて、前年同期と比べてどのぐらい増減したかも記載されています。

 

純利益に注目する人もいますが、企業の成長を占うには本業の利益が重要です。たまたま土地を売ったとか株で儲かったという利益は本業の利益ではないので、将来も同じように期待できる利益ではないからです。あくまで本業で得た利益である営業利益がグッと増えているかどうかに注目します。

 

ただし、売上が伸びていないのに、営業利益が伸びているケースもあるので要注意です。この場合は、リストラや経費削減で残る営業利益を増やしているケースがほとんどです。コスト削減が悪いわけではないのですが、株価が数倍になる企業は成長の源泉である売上がしっかり伸びている必要があります。あくまで売上増と営業利益増が両立している企業を見るようにしてください。

 

売上が増えているのは増収、営業利益が増えているのは増益といわれ、カギはまさにこの増収増益なのです。

 

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