(※写真はイメージです/PIXTA)

老後を見据えて生活資金をつくりたいと思ったとき、「単に銀行に預けるよりは株式や投資信託に投資を」とよく聞きます。しかし、牧野FP事務所の牧野寿和CFPは「投資以外にも公的年金で資産を増やす方法がある」といいます。Aさん(59歳)の事例をもとに、「月400円」で老後資産を増やす方法をみていきましょう。

100歳時点で「1,000万円の貯蓄」を残すには?

③事業をできる限り継続する 

A夫妻は2人とも長生きしたい気持ちが強く、「100歳時点でも1,000万円くらいは貯蓄しておきたい」とおっしゃいます。

 

仮にAさんが事業を75歳まで継続すれば、100歳時点でも貯蓄残高は約1,500万円、80歳まで継続すれば3,800万円になる見込みです。

 

とはいえ、現実的に80歳まで事業が続けられるかはわかりません。そこで、A夫妻と筆者とで、何歳までどのくらいの所得で働くかさまざまな条件で試算を行い、結論は2人に任せることにしました。

 

事業をゆるやかにすることで「趣味」と「実益」を兼ねる、シニアの新たな働き方

その後、筆者とA夫妻はSNSなどで連絡を取りあっていましたが、1ヵ月後に再びA夫妻が筆者のところを訪れました。

 

2人は、筆者が提案した①国民年金の追加加入と②年金の繰下げ受給を実行しながら、事業も可能な限り続けることにしたそうです。ただし、65歳以降、あえて毎年50万円ずつ利益を抑えていき、70歳以降は趣味と実益を兼ねて事業を行うようです。

 

こうすると、夫婦の望み通り、2人が100歳になっても約1,000万円の貯蓄が残る計算です。

 

Aさんは、「相談してよかったです。老後の資金を増やす方法は、意外にたくさんあるんですね」と満足気。またBさんも、「地元の青色申告会に入会して10年になり、記帳指導を受けたり、異業種の方々との親睦を深めたりと充実した日々です。夫と協力し、このライフスタイルをできる限り続けたいと考えています」と笑顔で話してくれました。

 

 

牧野 寿和

牧野FP事務所合同会社

代表社員

 

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