手つかずで遺された、女手一つで育ててくれた80代母への仕送り“総額2,000万円”。50代娘、涙も…税務調査官「追徴課税です」→「なんで?悔しい!」【指摘されない方法を税理士が助言】

手つかずで遺された、女手一つで育ててくれた80代母への仕送り“総額2,000万円”。50代娘、涙も…税務調査官「追徴課税です」→「なんで?悔しい!」【指摘されない方法を税理士が助言】
(※写真はイメージです/PIXTA)

社会人になり収入を得られるようになると、これまで育ててくれた親へ生活費を渡したり、仕送りを送ったりする人は多いでしょう。しかし、親側が子どもを想って仕送りを貯金したままにしていると、いざ相続が発生した際に思わぬ事態となることも……。本記事ではAさんの事例とともに、仕送りの注意点について辻・本郷 税理士法人の山口拓也税理士が解説します。

相続税の税務調査は母の死後、2年後の秋

忘れたころに申告を依頼した税理士から連絡がありました。亡くなった母親について税務署から税務調査の連絡があったとのことです。日程調整をして、当日を迎えました。

 

当日やってきた税務署の担当官は2人、午前中は、ヒアリングでした。母親やAさん自身の過去の学歴、経歴、趣味、親族関係の聞き取りなどからスタートします。その後、母親の老後の生活状況や財産管理の状況など質問は多岐にわたります。

 

12時になり一旦食事休憩したのち、午後1時から再び調査がスタートしました。午後は相続税申告で使用した資料の現物確認です。通帳や、不動産の権利証などの確認をして写真を撮っていきます。

 

その後、母親のものでなく、Aさん自身の通帳も見せてください、と言われました。

 

「え、自分のも?」と一瞬違和感を覚えましたが、立ち会ってくれた税理士は、相続税の税務調査は家族全員のチェックなのできちんと出しましょうと言われ、自分の通帳も担当官に渡しました。

 

「この通帳のお金は誰のものですか?」

Aさんの通帳は、3冊ありました。ひとつは自分の給料が入金されているメインの通帳。もうひとつは昔のお年玉やお祝いでもらったお金を貯めておいた古い通帳。

 

そして、最後に母親がこっそり貯めてくれた2,000万円が入っている通帳です。そしてこの通帳は、母親が母親の印鑑を使いAさん名義で作成したものでした。

 

調査官は通帳を慣れた手つきで確認しつつ、写真を撮っていいですか?と聞かれたので了解し、写真を撮っていきました。

 

そして例の通帳を見ていた調査官が、この通帳の原資は誰のお金ですか? と質問をしました。Aさんは正直に「私が生活費として家に入れたお金です」と答えます。

 

調査官は、その後、印鑑の印影をとったり、家の大事な書類の保管場所などをチェックしたりしつつ、税務調査は夕方の4時に終わり帰っていきました。こんなにたくさんのことを聞かれるとも知らなかったAさんはくたくたに疲れました。

 

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