Aさんはどうすればよかったのか?
まず、この2,000万円の通帳の存在を知らなかった場合には、当初の申告から相続財産として申告しておけば、追徴ということはありませんでした。納得するかどうかは別として……。
続いて、母親への生活費や仕送りが、「贈与」ではなく、「預けた」ということであれば、相続財産として認定を受けなかった可能性もあります。
「贈与」ということが成立するためには、通帳やお金の「管理・支配・運用」が誰にあるかということが必要になります。今回家に入れたお金は、結局母親がその通帳を作成し「管理・支配・運用」していたためAさんの財産という主張は難しいと考えられます。
しかし、たとえばAさん名義の通帳にAさんが毎月5万円入金しますが、通帳は渡さずにキャッシュカードだけを母親に渡し、母親は必要に応じて生活費として消費していれば、Aさんが母親に贈与ということではなく、キャッシュカードを預けたということや、通帳の管理等はAさんが行ったということで贈与に該当せず、相続財産にはならなかった可能性もあります。
「預けた」と認められるために税務署と争った裁判事例
預けたかどうか争われた事例で大阪国税不服審判所の非公開裁決事例(平成27年11月4日)があります。
相続人が亡くなった母にお金を送っており、その総額がおよそ5,000万円ありました。この5,000万円は相続人のものであり、相続財産ではない、と主張して税務署と食い違い、国税不服審判所で争われた事例です。
その預貯金等の契約名義人は母親であり、これを管理・運用していたのも母親でした。結果として、母には生前に給与収入や年金などの収入があったこと、相続人の収入の状況からみても5,000万円もの大金を母に預けたとはいえない状況であるなどから、相続人が負けてしまいました。
通帳の流れや、名義預金、逆名義預金と言われるものは税務署にはすぐにわかってしまいます。この場合、通帳の管理状況や、収入の状況などがポイントとなります。生活費や仕送りで追徴課税とならないように、申告する際には税理士によく相談してみましょう。
山口 拓也
辻・本郷 税理士法人 シニアパートナー
税理士
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
調査官は重加算税をかけたがる
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