日本でも「ジョブ型雇用」広がる
Zenkenが実施した海外での就職を希望するインド・ベンガルールの工科系大学4年生へのアンケート調査によると、「日本で働きたい」との回答が9割にのぼった。「日本でどんな仕事をしたいか」との質問に対しては「ソフトウエアエンジニア」との答えが最も多く、6割を超えた(複数回答)。
単にプログラムを組むだけではなく、ソフトウエア開発や運用などを総合的に担当したい学生が多い。海外では従事する業務内容とレベルに応じて処遇を決定する「ジョブ型雇用」を採用している企業が多く、日本企業も学生の要望を踏まえて採用に取り組む必要があるようだ。
日本で働きたい仕事、ウェブやアプリ関連も上位
調査はZenkenがインド・ベンガルールの25の工科系大学で海外就職を希望する4年生を対象に1月2~9日に実施し、905件の回答を得た。ベンガルールはIT産業の集積地として知られ、インドの「シリコンバレー」とも言われる。
「日本でどんな仕事をやりたいか」との質問への答えでは「ソフトウエアエンジニア」が60.5%で最も多かった(複数回答)。プログラムを書くことを専門とするプログラマーと違い、ソフトウエアエンジニアは設計、開発、プログラミング、保守・運用まで担当できるのが人気の背景のようだ。
「フロントエンドエンジニア(見やすいウェブサイトやアプリを構築)」が43.8%、「フルスタックエンジニア(フロント・バック・サーバーなど複数の工程の作業ができる)」が35.5%で続いた。インターネットやスマートフォンの普及を受けて、ウェブサイトやアプリの構築に活躍の場を求める学生が多いようだ。開発を統括するフルスタックエンジニアにも人気が集まった。
AIエンジニアを希望する学生は25%
「ウェブエンジニア(ウェブサイトなどを作成)」(33.7%)、「デザインエンジニア(エンジニアとデザイナーの両方の技能を持つ)」(31.4%)も3割超に達した。「データサイエンティスト(データを分析、活用)」(29.7%)との回答も多かった。データサイエンティストはビッグデータと呼ばれる膨大な量のデータを分析する。市場分析や施策の効果測定などマーケティング分野にも応用され、人気を集めている。
AI(人工知能)の需要は今後爆発的に増加すると予測されている。膨大な処理能力と大量のデータを安価に保存するクラウドの普及を受けて、大量のデータを取得・収集できるようになり、それを分析・処理するAIに注目が集まっているためだ。生成AIの登場もこの傾向に拍車をかけている。こうした経済環境を受けて、「AIエンジニア」を希望する学生は25.8%に達した。
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