3月の注目点…日米で予定されている「金融政策決定会合」
米ドル/円のこの間の高値は、2022年10月と2023年11月に記録した151.9円です。このため、3月の米ドル/円の行方を考える上での最大の焦点は、「まずはこの高値を更新するか」ということになるでしょう。
これまで見てきたように、米景気の強い状況が変わらず、インフレ再加速の可能性すら浮上するなかでは、「米金利上昇=米ドル高・円安」が続く可能性はあります。
ただ、米ドル/円の5年MA(移動平均線)かい離率は、2月末現在で24%程度に達し、すでに循環的な米ドル高・円安の限界圏にほぼ達しているようです(図表4参照)。
その意味では、仮に米ドル高値更新となっても、さらなる上昇余地が限られることには変わりなく、きっかけがあればいつ米ドル高・円安終了となってもおかしくない状況が続いているといえます。
日本の円安阻止介入についても少しふれておきましょう。日本の為替介入は、前回が2022年9~10月、そして前々回が2010年9月~2011年11月に行われました。
要するに、ともに最初の介入は9月だったのですが、これは日本企業の中間決算期末の影響があったのではないでしょうか。期末直前で為替相場が大きく動くと決算に影響するため、それを回避する目的があったのではないか、ということです。
今回の場合であれば、3月末にかけて円安が加速するようなら輸入企業の決算には悪影響となるため、たとえば、この間の米ドル高値151.9円を更新し、一段の円安に向かいそうになった場合は介入の可能性があるでしょう。そう考えると、目先的に米ドル高値は試しにくそうです。
懸念強まる、米ドルの「買われ過ぎ」と円の「売られ過ぎ」
また、2024年に入り、約2ヵ月で10円程度もほぼ一本調子で米ドル高・円安となったことにより、米ドルの「買われ過ぎ」、円の「売られ過ぎ」懸念も強くなってきています。
ヘッジファンドなどの取引を反映しているCFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の円ポジションは、円の売り越し(米ドル買い越し)が、すでに2023年のピークである13万枚程度まで拡大してきました(図表5参照)。
このように、米ドル買い・円売りが「行き過ぎた動き」になり始めているということも、米ドル高・円安が行き詰まり、きっかけ次第では反転する可能性のある理由と言えるでしょう。
ただし、CFTC統計の投機筋の円売り越しは、2007年には2023年のピークの13万枚を遥かに上回り18万枚まで拡大したこともありました(図表6参照)。
背景にあったのは、大幅な金利差米ドル優位と、その後「信用バブル」と呼ばれるところとなった世界的な株高でリスクをとりやすいムードが広がっていたことなどと考えられます(図表7参照)。
このような背景は、最近と重なるものでしょう。その意味では、大幅な金利差や世界的なリスクオン拡大と言う背景が大きく変わらない限りは、行き過ぎた米ドル買い・円売りの動きが本格的に逆流に向かう可能性は低く、むしろすでに見てきた2007年のように「より極端に行き過ぎた動き」、つまり円売りが「バブル化」に向かうリスクもあります。
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