7〜8年間、妻と一緒に徹夜で銀行への書類を作る日々
結論を先に言ってしまうと、父の残した借金10億円を私は55歳で完済します。36歳で背負いましたから都合19年間で返済しました。
当時の銀行の選択肢は
①回収できるものはすべて回収してから会社を潰す
②回収できるものは回収して、高い金利を取ってとりあえず延命させる
の2つだったのではないかと思います。
結果、②を銀行が選択してくれたおかげで生き延びることができました。
この19年間の中で私は付加価値額経営と出逢い、自社の業績を改善してキャッシュフローを残し、借金完済もすることができました。
この19年間は筆舌に尽くしがたい日々でした。銀行からは事あるごとに呼び出され、しかもこちらの都合はお構いなしでした。私も断ればそれで終わりだと思っていましたから行かないわけにはいきませんでした。
しかし、その過程で銀行に“鍛えてもらえた”とも思っています。
5億円の売上を出せるようになってはいましたが、私は経営者としてはド素人でしたし、正確には経営者にすらなれていなかったことを深く認識しました。そういう意味では向こうも仕事とはいえ銀行には苦しめられましたが、同時に感謝もしています。
銀行とのやり取りを詳細に書いていくとページが足りませんので、付加価値額経営につながる部分だけ掻い摘んでお伝えします。
まず銀行から言われたのは、当時の九昭がやっていた事業について工種別に取引先の一覧を作ることでした。
仮に電気工事の仕事が100件あるとして、それが「公共工事」か「民間工事」か、「元請工事」か「下請工事」か、厳密にそれらは「何の」電気工事で、その電気工事は「何件」あって、「売上」はいくらで、「利益」はいくらになるのか。売上5億円の内訳をすべて分解して年単位で一覧表にするよう言われました。
次に、毎月の資金繰り表を作るように言われました。要するに、日々の入出金がわかる現金出納帳のようなものです。
月が終わるごとに来月はいくらの請求ができて、売掛や買掛がどのくらいあるか、その差分で原価が処理できるのか、利益はどれだけ残って、銀行にはいくら返済予定なのか。中小企業の経営者であれば番頭とともに作るものを、私は専務だった妻と一緒に徹夜でエクセルのデータを作りました。
銀行はそれらの表をもとに融資を検討してくれましたので、こちらもきちんとした書類 を作るために必死でした。そのような日々はなんと7〜8年続きました。
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