(※写真はイメージです/PIXTA)

夢のマイホームを手に入れたものの、長きにわたる「住宅ローン」の返済に苦労し、終の住処が重荷になってしまう人も少なくありません。住宅ローン・不動産分野で活躍するブロガーであり、公認会計士の千日太郎氏は「定年時のローン残高の目安は1,000万円」と言います。千日氏の著書『住宅破産』(エムディエヌコーポレーション)より、老後に住宅ローンを残さないために、今できることを見ていきましょう。

定年時の住宅ローンの残高は「1,000万円」を目安に

住宅ローンを定年で完済するならば、定年時の住宅ローン残高があまりに大きいと計画通りに完済できないリスクが高まります。そこで、わたしは定年時のローン残高については1,000万円を一つの目安とすることをお勧めしています。

 

その人の年収にもよりますが「今から1,000万円の貯金をつくる!」と考えると、とても高い目標に思えるかもしれません。

 

例えば10年間で1,000万円貯めようとすると月に約8万3,000円の貯蓄が必要ですが、貯めるお金だけでなく、増やすお金も計画的にコントロールしていきます。目標とする60歳定年時のローン残高を貯めるためには、①積立貯蓄、②有利な安全性商品、③投資商品の3つをバランスよく組み合わせることがポイントになります。

 

(1)まずは積立定期預金や財形貯蓄などで種銭をコツコツ積み上げていく
(2)そしてまとまった金額になったら、利率の高い安全性商品に預け替える。積立貯蓄はそのまま継続
(3)積立貯蓄や安全性商品の利益の一部で、投資商品に投資する
 

いわば動く歩道の上を歩いて目的地を目指すような感覚です。それに家を買った後の10年(13年)間は住宅ローン控除によって減税の恩恵があります。1年で40万円(長期優良住宅ならば50万円)ですからフルに享受すれば住宅ローン控除の恩恵分を貯蓄するだけで400万円から500万円くらいは達成できる計算です。さらに実践的な貯蓄術を解説していきます。

 

【家計簿で支出の無駄を洗い出す】

まずは、家計の収支バランスのチェックを行います。手取り収入の中から食費、住居費、電気・ガス・水道代、通信費や被服費などの項目ごとに、何にどれだけ使っているかを割り出します。その中で明らかに超過しているものがあれば見直しを検討します。

 

【固定費を減らせば長期的な支出減となる】

家計の見直しでまず着手したいのが「固定費」です。固定費は毎月の支出額が変わらないので、一度見直しをすれば、その後は長期的な支出減へとつながります。住宅ローンを借りた時よりも金利が下がっている場合は、借り換えることによって、毎月の返済額を減らすことができます。

 

ただし、借り換えには費用が必要です。借り換え費用を払っても金利が下がることによる返済減の方が大きいために総返済額が少なくなるなら、借り換えによって利息を節約できるのですが、現在の銀行に対して金利引き下げを要求することもできます。これだけで完済までに100万円以上の貯蓄を増やすこともできます。

 

生命保険は、保険料をまとめ払いするだけでも割引になります。保険料を有期払いから終身払いにすれば、目先の保険料の負担は軽くなります。通信費も、使っていない固定電話を解約する、携帯電話はプランの変更や格安SIMに乗り換えることで、かなりの節約になります。

 

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※本連載は、千日太郎氏による著書『住宅破産』(エムディエヌコーポレーション)より一部を抜粋・再編集したものです。

住宅破産

住宅破産

千日 太郎

エムディエヌコーポレーション

日常の家計収支の面では賃貸も住宅ローンも同じです。住宅ローンを滞納すると、住宅を手放さなければならなります。マイホームの使用価値を享受するために所有者が払うリアルな金額は毎月の住宅ローンの返済額です。マイホーム…

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