今回は、東京電力が取り組む「新電力ビジネス」の提携戦略を見ていきます。※本連載は、株式会社船井総合研究所スマートエネルギーグループの編著書『図解 はじめての電力自由化ビジネス』(エネルギーフォーラム)の中から一部を抜粋し、中小企業が新電力ビジネスに参入する際の基礎知識をご紹介します。

「電力販売以外」の事業を推進する電力会社

「新電力が電気で儲けない」というビジネスモデルは革新的なように聞こえますが、実は、日本で最も大きな電力会社である東京電力が、真っ先にこのモデルへの転換を図っています。

 

下の図のように、ガス・通信事業者との提携により、電気だけではない総合サービス企業へと進化しようとしているのが垣間見えます。

 

さらに注目すべきは特高・高圧部門です。昨年2015年に開かれたCOP21のパリ協定にて、世界的な温暖化対策が約束されました。これを受け、日本のエネルギー業界も「省エネ」は避けられません。

 

しかし省エネは、電気やガスの使用量が減少することを意味しており、従って、本来、電力会社にとって省エネとは販売電力量を減らす大敵なのです。

 

しかしながら、東京電力のような電力会社が自らESCO事業などの省エネを推進する動きを見せ始めているのです。いよいよ、電力会社も電力販売で儲けない時代が来るのかもしれません。

 

本連載は、2016年6月29日刊行の書籍『図解 はじめての電力自由化ビジネス』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

図解 はじめての 電力自由化ビジネス

図解 はじめての 電力自由化ビジネス

船井総合研究所スマートエネルギーグループ(編)

エネルギーフォーラム

2014年2月、電力小売りの全面自由化が閣議決定され、7.5兆円のマーケットが開放されることが決まりました。 本書は、電力自由化の概要をはじめ、業界勢力マップ、新電力のビジネスモデル、中小企業の参入の意義に至るまで、広…

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