今回は、新電力ビジネスに参入する各企業の「セットプラン」の例を見ていきます。※本連載は、株式会社船井総合研究所スマートエネルギーグループの編著書『図解 はじめての電力自由化ビジネス』(エネルギーフォーラム)の中から一部を抜粋し、中小企業が新電力ビジネスに参入する際の基礎知識をご紹介します。
ゴールは「既存顧客の囲い込み」と「新規顧客の獲得」
新電力に参入する際の出口商材は、自社の本業商品になるケースがほとんどですが、その中でも既存顧客やOB顧客を囲い込むという「守りのゴール」と、新規顧客の獲得を行うという「攻めのゴール」の2つがあります。
下記の表は、新電力に参入している主な業種ごとのゴール設定と、そのゴールに結びつけるための新電力とのセットプランの例を挙げています。
例えばガス会社であれば、「新電力&ガスのセット契約時に、ガスの基本料金を200円割引」というセットプランの構築が可能です。この200円という金額が非常に重要で、実はこれが代理店の切り替え報酬と一致する計算です。
つまり、切り替えによって手に入る200円の代理店報酬を、セット割引の原資に充てて全額還元することで、自社の手出しなく、かつお客様にはメリットのあるセットプランを作ることで、電気だけでなくガスの切り替えも促す仕組みとなっています。
株式会社船井総合研究所 スマートエネルギーグループ
経営コンサルタント
六甲高等学校、京都大学総合人間学部卒業。船井総合研究所への入社以来、電力自由化と再生可能エネルギービジネスを専門とした、経営コンサルティングに従事。理屈ではなく、現場への「百件行脚」で集めた生の情報を元にしたコンサルティングを得意とする。
毎週火曜日に『新電力・電力小売自由化 業界最新レポートメルマガ』を配信している(バックナンバー : http://www.fhrc.jp/denryoku/magazine/)。
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