今回は、新電力ビジネスのターゲットについて見ていきます。※本連載は、株式会社船井総合研究所スマートエネルギーグループの編著書『図解 はじめての電力自由化ビジネス』(エネルギーフォーラム)の中から一部を抜粋し、中小企業が新電力ビジネスに参入する際の基礎知識をご紹介します。
相関関係がある電気の「使用量」と「単価」
新電力が欲しがる、一般家庭の顧客の特徴には「使用量が多い」と「電力単価が高い」という2つがあります。しかも、基本的にはこの2つは相関していて、「使用量が多くて単価が高い」か「使用量が少なくて単価が安い」のです。
これは従量電灯プランが「三段階料金制度」になっていることに起因します。
第1階は、ナショナル・ミニマム(国が保障すべき最低生活水準)の考え方を導入した比較的低い料金、第2段階は標準的なご家庭の1か月のご使用量をふまえた平均的な料金、第3段階はやや割高な料金となっています。
これによって、使用量が多いほど、電気料金が高くなるだけでなく、電力単価も高くなるという仕組みなのです。
したがって、新電力が本当にメインターゲットとする顧客層は、15,000 円以上の電気代を支払っているような、電力多消費世帯なのです。
株式会社船井総合研究所 スマートエネルギーグループ
経営コンサルタント
六甲高等学校、京都大学総合人間学部卒業。船井総合研究所への入社以来、電力自由化と再生可能エネルギービジネスを専門とした、経営コンサルティングに従事。理屈ではなく、現場への「百件行脚」で集めた生の情報を元にしたコンサルティングを得意とする。
毎週火曜日に『新電力・電力小売自由化 業界最新レポートメルマガ』を配信している(バックナンバー : http://www.fhrc.jp/denryoku/magazine/)。
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載中小企業のための「新電力ビジネス」参入の基礎知識