今回は、単独での収益化が難しい新電力ビジネスに、各社が参入する目的を見ていきます。※本連載は、株式会社船井総合研究所スマートエネルギーグループの編著書『図解 はじめての電力自由化ビジネス』(エネルギーフォーラム)の中から一部を抜粋し、中小企業が新電力ビジネスに参入する際の基礎知識をご紹介します。
「新電力+α」で考える必要がある事業戦略
新電力は「集客商品」として活用するのがベストです。ただし、お客さんを集めるだけに終始していては意味がありません。新電力という「入口」に対応した、収益商品という「出口」の全体設計が非常に重要になってきます。
数百社も新電力に参入してくるのは、「新電力+α」で事業を考えており、自社本業商品の販売を“真のゴール”に据えているからなのです。
例えば、ガス会社であれば、既存のガス顧客の囲い込みや、他社ガス顧客の切り替えが真のゴールです。結局、ガス顧客の増加が一番の業績アップに繋がるのです。
また、携帯電話会社であれば、セット割引による離脱防止はもちろんのこと、「電気」をフックに家計に切り込むことで、新たな商材(金融・保険など)への展開の布石とする動きもあります。
株式会社船井総合研究所 スマートエネルギーグループ
経営コンサルタント
六甲高等学校、京都大学総合人間学部卒業。船井総合研究所への入社以来、電力自由化と再生可能エネルギービジネスを専門とした、経営コンサルティングに従事。理屈ではなく、現場への「百件行脚」で集めた生の情報を元にしたコンサルティングを得意とする。
毎週火曜日に『新電力・電力小売自由化 業界最新レポートメルマガ』を配信している(バックナンバー : http://www.fhrc.jp/denryoku/magazine/)。
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