今回は、新電力ビジネスの収益化が難しい理由を紹介します。※本連載は、株式会社船井総合研究所スマートエネルギーグループの編著書『図解 はじめての電力自由化ビジネス』(エネルギーフォーラム)の中から一部を抜粋し、中小企業が新電力ビジネスに参入する際の基礎知識をご紹介します。
ほとんど報酬がない新電力の代理店ビジネス
とある週刊誌で報じられた、新電力の代理店向けメニューを読み解いてみると、電力だけの代理店事業では、なかなか収益化が難しいのが体感していただけるかと思います。
ここでは、1000世帯の切り替えを行った際の、代理店報酬(コミッション)を計算しています。
顧客を選別することなく、仮に東京電力エリア全体の世帯構成比と全く同じ比率で切り替えを行った場合、1000世帯切り替えたとしても、月額でおよそ17万円の代理店手数料しかもらえません。
仮に、ご家庭への訪問から、実際の切り替えに至るまでの成約率が5%だとすると、1000世帯の切り替えのためには2万世帯にアプローチしなければならないのです。
考えなしに参入しようとしてはいけない理由が見えてきましたでしょうか?
株式会社船井総合研究所 スマートエネルギーグループ
経営コンサルタント
六甲高等学校、京都大学総合人間学部卒業。船井総合研究所への入社以来、電力自由化と再生可能エネルギービジネスを専門とした、経営コンサルティングに従事。理屈ではなく、現場への「百件行脚」で集めた生の情報を元にしたコンサルティングを得意とする。
毎週火曜日に『新電力・電力小売自由化 業界最新レポートメルマガ』を配信している(バックナンバー : http://www.fhrc.jp/denryoku/magazine/)。
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