先代亡き後、夫婦を襲った「借地問題」
先代が亡くなって一番困ったのが、借地関連の問題だった。
太一さんの代になったときに黙って返してくれた土地もあるが、何件かそのままになっている土地もある。
「義父は優しくて、頼まれるとノーといえないタイプでした。それで言われるままに人に貸したり売ったりしていたため、中途半端に小さい土地が多数残ってしまいました。活用の仕方や土地の扱い方に問題があったのに、私たちには黙っていたので、大変でした」(優香さん)
どういうふうに借地が始まったのか、借地人との関係はどうなのか、太一さん夫妻は、先代から一切聞いていなかった。
「なにせ、昔ですから、書類をネズミにかじられてしまったものもたくさんありました」(太一さん)
契約書がないものもあった。
勝手に建物を建てる借地人も…10年間まったく気がつかず
「義父の契約の多くが口約束でした。しかも相手は、すでに亡くなってしまったり、老人ホームに入ってしまったりしています。その子どもや孫に聞いても『書面はないのでわからない』と言うばかりでした。事実を調べるのに3~5年くらいかかってしまう。もうぐちゃぐちゃです」(優香さん)
借地人が勝手に建物を建てても10年間まったく気がつかなかった、ということさえあった。
「昔はなぁなぁでやってきたんでしょうが、土地の境界がきちんとしていないと、やはりわからないですね。きちんとこちらで区切ったところで、相手がサインしてくれない、判を押してくれないなど、まだありますね」とやや呆れて話す太一さん。
借地料はもらっているが、昔の金額のまま、非常に安いものもあった。
この土地は弁護士を通して物件を整理した。このような案件が膨大にあり、それを一つひとつ確認していく作業が大変で、まだいくつか残っている状況だ。
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