前回は、30㎡以上の区分マンションなら住宅ローンが組みやすい理由について取り上げました。今回は、仲介手数料の仕組みについて見ていきます。

法律で定められている不動産取引の仲介手数料

保有している不動産資産の種類によって、売却する際の業者選びが大きく分かれます。

 

不動産は土地、一棟マンション、一棟アパート、区分マンションなど様々ですが、いずれにしても投資用の不動産である限り、売却は専門の売買仲介会社に任せるべきです。

 

売買仲介を取り扱う業者といっても本当に多彩で、同じ売買仲介でもマイホームをメインにする業者もいれば、収益物件のみを扱う業者などたくさんあります。基本的にはどの会社であっても、法律で定められた仲介手数料のみで動いてくれます。

 

仲介手数料とは、不動産の売買や賃貸で、不動産業者が買い手や借主を探してくれて、成約となった際に、不動産業者に支払う成功報酬を言います。

 

売買仲介と賃貸仲介では、仲介手数料が異なりますが、売買の場合では、売買する不動産の価額を3つの金額に区分したうえで、所定の割合を乗じて得た金額を合計した金額が上限となっています。

 

あくまで成功報酬となるため、売買契約が成立するまでは、原則として、不動産会社に仲介手数料を支払う必要はありません。また契約が無効・取り消しになったときも、支払いの必要はありません。

 

この仲介手数料(報酬金額)は、依頼主の一方(売主もしくは買主)から得られる額です。不動産業者が売主・買主の両者を見つけている場合は、その業者は双方から仲介手数料を受け取ることができ、報酬額はこの金額の2倍になります。

 

不動産業界では、売主もしくは買主の一方から依頼を受けた場合を「片手」、売主・買主双方から依頼を受けた場合を「両手」と言います。

物件価格が高いほど、仲介手数料も高くなる仕組み

このように、どの業者に依頼をしても、同じ仲介手数料になります。決められた割合での報酬ですから、物件価格が高いほうが、その業者にとってはおいしい話になります。

 

つまり物件が高値で売れれば、不動産業者にとっても嬉しい結果になるのです。売却において、不動産業者は同じゴールを見据えた味方です。しっかり協力体制をとって、高値売却に向かって動いていくことが大切なのです。

 

ですから、業者選びを妥協してはいけません。「日本は欧米と違って、中古物件のマーケットがない」などと揶揄(やゆ)されることもありますが、区分マンションに限れば確実に存在します。

 

区分マンションを取り扱う不動産業者は、新築を売る販売会社でも中古を買い取ります。また、中古区分マンションの買い取りに特化した業者もあります。これらの業者を、「買取会社」と言います。

 

その他、私の経営する会社のように、売買仲介を行う業者も存在します。そういった業者も、事業内容は様々です。マイホームも扱えば、投資用不動産も扱う業者。区分マンションに限らず、投資用不動産全般を扱う業者。また私たちのように、投資用の区分マンションに特化した業者など・・・。

 

そんな中で、私の経営する会社のように、物件の卸売を行う専門業者を「物上げ業者」と呼びます。つまり再販売を行う買取会社が物件の仕入れをする先が、物上げ業者です。区分マンションの再販売を行う買取会社にとって、物上げというのは、情報が集約している卸問屋のような存在です。

 

これは不動産オーナーの立場から見ると、区分マンションを高値売却する手伝いをしてくれる存在になり得るということです。

 

【図表】仲介手数料とは

本連載は、2016年8月13日刊行の書籍『その区分マンションは今すぐ売りなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

その区分マンションは 今すぐ売りなさい

その区分マンションは 今すぐ売りなさい

渡邊 勢月矢

幻冬舎メディアコンサルティング

区分マンション投資にはリスクがあります。 たとえば新築で区分マンションを購入し、サブリース契約がついている場合。見掛け上家賃収入が入る状態でも、物件本来の収益性が低いケースがあります。また収益性向上のためどんな…

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