退職金の「やってはいけない」使い道とは?
前章では、「現役」の間にやっておくべきことを書きました。この章では、「現役」の間に「やってはいけないこと」を見ていきましょう。
まず筆頭に挙げなければいけないのは、「退職金の使い道」についてです。中でも「起業」。これが一番、アブナイ。
会社に在籍している間に、起業のためにしっかり「スキル武装」し、事業計画も立て、独立しようと考えている方もおられるでしょう。それは結構です。チャレンジ精神は素晴らしい。でも、起業でやってはいけないことがあります。
それは、退職金を使って「起業」することです。
「起業」にはもちろん、それなりのお金が必要となります。そこで、多くの人は、それまで貯めてきた貯金や自分の退職金を使って始めようとする。中には、親兄弟に資金援助を頼む人もいることでしょう。
けれど、それは絶対にやめたほうがいい。
理由は2つ。1つ目は、自分のお金だと、シビアな資金計画がなくても「起業」できてしまいます。そのぶん失敗しやすくなるのです。
2つ目は、自分のお金をつぎ込んでいると、事業がうまく行かなかった時に諦めがつかず、親戚縁者からお金を借りまくるなど、収拾がつかなくなりやすいのです。
開業資金は「金融機関から融資を受ける」が鉄則
今までサラリーマンをしていた人が事業を始める時には、なるべくリスクを減らして始めなくてはいけません。そのために、お金はしっかり金融機関から借りましょう。
ただ、ほとんどの銀行は、海のものとも山のものともわからないあなたの「起業」には、お金を出してくれません。ですから、銀行ではなく「日本政策金融公庫」で、お金を借りましょう。なぜなら、「日本政策金融公庫」には、起業支援を行うメニューがあるからです。
ただ、そこに「事業計画書」を持ち込んでも、たぶん99パーセントは「これでは、資金援助はできません」と断られることでしょう。実は、そこからが勝負です。