(※写真はイメージです/PIXTA)

バリバリと仕事をする「現役」の時期を経て、「老後」をスタートする際に、人によっては手にするのが「退職金」。この退職金の使い方として「絶対にやめたほうがいい」ことがあると、“家計の専門家”として活躍する経済ジャーナリストの荻原博子氏はいいます。荻原氏の著書『老後の心配はおやめなさい』(新潮社)より、退職金の使い道について詳しく見ていきましょう。

事業計画を「起業のプロ」に評価してもらう

その事業計画のどこがダメでお金を貸せないのかを、しっかり聞きましょう。相手は、起業のプロですから、容赦無くダメ出しをしてくれます。そうしたら、そのダメなところを改善し、もう一度「事業計画書」を練り直して持って行く。

 

大切なのは、あなたの事業計画のどこが悪くて融資されないのかを、プロの目で指摘してもらうこと。

 

問題点を示され、それを改善したら、再びそれを持って行く。そこでもさらなる問題点が指摘され、なかなか融資はおりないことでしょう。が、そうやって何度も足を運ぶうちに、確実にあなたの事業の欠点は潰され、成功率は上がっていくはずです。

「起業」したい人が、会社を辞める前にやっておくべきこと

「起業」への意欲がある人は、往々にして思い入れが強く、思いが先走って自己流になりがちです。しかも、それを知人に話すと、大体の人は「勇気がある」とか「素晴らしい」などの褒め言葉をくれます。けれど、お金が絡まない人間関係なら、なんでも言えます。それを鵜呑みにすると、失敗します。私は何人もそういう人を見てきました。

 

大切なのは、事業計画を厳しい第三者のプロの目で見てもらい、成功確率を上げることです。プロに、客観的な目で評価してもらうことです。

 

それは、事業家になるためのレッスンでもあるのだと思いましょう。

 

また、金融機関から借りたお金なら、担保さえ最小限にしておけば、ダメだと思ったら会社を倒産させて、事業から撤退することもできます。そうした終わり方をすれば、次に「起業」する時にも、親類縁者に迷惑はかけていないので、後ろ指を指されることもないでしょう。迷惑をかけていなければ、失敗を糧に、再度奮起して立ち上がろうとする時に、応援してもらうことだって可能かもしれません。

 

「起業」するなら、会社を辞める前に、ある程度まで「事業計画書」を練り上げて金融機関に目を通してもらいましょう。そうした準備なしに会社を辞めてしまうと、後悔することになりかねません。

 

 

荻原 博子

経済ジャーナリスト

 

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※本連載は荻原 博子氏による著書『老後の心配はおやめなさい』(新潮社)より一部を抜粋・再編集したものです。

老後の心配はおやめなさい

老後の心配はおやめなさい

荻原 博子

新潮社

親の介護に必要な額が3000万円?! 準備すべき自分の老後資金は2000万?! わずかな年金だって破綻したらどうする?! 増えない貯金、揉める相続、かさむ医療費……その心配、本当にするべきなのでしょうか。不安になるのは知らない…

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