ローン活用は「税金対策」にも有効
ローンを利用した場合、利息の支払いが生じるため、その分だけ手元のお金を減らすことに抵抗を感じるかもしれません。たしかにそれは事実ですが、利息の負担分は経費として計上でき、家賃収入から差し引いて課税所得を減らすことができます。
つまり、節税という観点からも、不動産投資でローンを活用することには妙味があるわけです。無論、すでに賃貸アパート経営に取り組んでいる資産家の多くは、こうしたメリットにも着目しています。
プロ任せは危険…自身でも慎重な物件選びを
Aさんの失敗は、安易にキャッシュでの購入を決めたことにあります。そのような行動を取ってしまったのは、不動産投資のことがまったくわかっていなかったからでしょう。
さらに、必要最低限の知識を身につけようともせず、漠然とした希望の条件をもとに、物件探しを不動産会社に丸投げしたことも賢明ではなかったといえます。物件を選ぶ際には、販売価格や利回りだけでなく、立地や建物・設備の状態、周辺の環境など、さまざまな角度からシビアにチェックする必要があります。
加えて1棟丸ごと購入できる資金が手元にあったとしても、投資効率を高めることを目的に、あえてローンを活用するというのも一考です。こうした基礎知識が伴っていれば、不動産会社に紹介された物件のなかから“本当に収益性の高いもの”を選ぶことが可能となります。
また、不動産会社選びも重要です。単に顧客が提示した条件を満たす物件を機械的に紹介する不動産会社ではなく、資産運用の一環として自身に寄り添い適切に助言してくれる「最良のパートナー」を見つけ出すことが、アパート経営を成功に導く第1歩です。
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