(※写真はイメージです/PIXTA)

投資物件の空室を埋められず、苦労している不動産投資家が増えています。空室を埋められない理由は「管理会社に任せきりにして、なぜ空室があるのかを十分にヒアリングしていないから」と、株式会社ピカいちの代表取締役・柳田将禎氏は言います。リフォーム投資のプロである柳田氏の著書『ピカいちのリフォーム投資 改訂版』から、不動産投資の空室対策において最も重要な考え方を見ていきましょう。

投資中の物件が「入居者に選ばれない」理由とは?

入居者に選ばれない理由は、端的に言えば「ニーズを満たす商品ではないから」です。入居者は物件を選ぶとき、「価格」や「立地」「物件のスペック」を考慮しながら判断をします。

 

まずは「価格」です。「立地」「物件のスペック」に比べて、どちらかといえば「価格」のほうが決定的な判断材料になりやすいですが、「値段のわりに得だ」という印象を与えられたら、高額な家賃でも入居者は決められます。

 

もちろん、まったくニーズがなく入居が決まらない……なかにはそのようなエリアもありますが、不動産はオンリーワンですから、強みを生かした経営ができれば空室には困らないはずです。築年数に関係なく「不況知らずの満室アパート」や「順番待ちの人気物件」があるのも事実なのです。

 

管理会社に任せきりだと「なぜ空室のままなのか」がわからない

入居者が価格の次に重視するのは「立地」です。駅やスーパー、コンビニから近いか、ファミリーであれば学区はどこか、地方や郊外であれば駐車場の有無などがあげられます。駐車場に関しては、世帯数分の数はあるのか、ファミリー向けであれば2台停められるのかも大事です。

 

物件によってはスペースが狭く区画されていることもあり、大きな車を入れようとするとぶつけてしまう問題も出ています。本来であれば普通車の場合、2メートル50センチの幅がなければならないのに、2メートルしかないケースがあるのです。

 

最初に配置図を見た瞬間、問題なく車庫入れできるように思うものです。しかし、いざ現場に足を運んでみると、これでは入らないことに気づくのです。

 

特に地方の物件において、駐車場が十分な広さなのか、台数は確保できているか、敷地内につくれるのかという問題が非常に大きなポイントとなります。

 

地方物件の例だと、国道沿いの物件は積算が取れるものの、騒音の問題で意外に人気がないケースもあります。ただ、二重サッシにするなど、工夫をしていれば埋めることはできるでしょう。

 

いずれにせよ、そうした問題に気づけないのは「現場に足を運んでいないから」、そして「なぜ空室があるのかを十分にヒアリングしていないから」です。

 

とくに後者は重要で、管理会社に任せきりにしていると、何が原因で空室になっているのかわからないままになってしまい、対策が立てられません。

 

現場に足を運ぶことはもちろん大切ですが、直接見ただけではわからないこともたくさんあります。立地的な問題なのか、それとも管理状態が悪いからなのかは、客付業者にヒアリングしなければなりません。

 

そのうえで改善できるのであればいいですし、できなければ投資対象から外します。なかには、対象物件に泊まり込む大家さんもいます。そうすることで、騒音や周りの入居者など、何かしら原因を特定できる可能性が上がるからです。

 

 

柳田 将禎

株式会社ピカいち

代表取締役

 

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※本連載は柳田 将禎氏による著書『ピカいちのリフォーム投資 改訂版』(プラチナ社)より一部を抜粋・再編集したものです。

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