コロナ禍からの回復で活況を帯びる「フィリピン不動産市場」…さらなる成長のカギとなる〈2つのキーワード〉

12月11日週「最新・フィリピン」ニュース

コロナ禍からの回復で活況を帯びる「フィリピン不動産市場」…さらなる成長のカギとなる〈2つのキーワード〉
写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、フィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今週はコロナからの回復で活気づいている「フィリピンの不動産市場」、さらなる成長のカギを握るポイントをみていきましょう。

キーワード①「2つの成長セクター」のインフラ拡大

不動産リサーチ会社・Santos Knight Frankは、来年、再生可能エネルギーとデータセンターのインフラの拡大がフィリピン国内の不動産セクターの成長を牽引すると予測しています。

 

同社は、世界的にデータセンターの需要が膨大でありうえ、フィリピンでもいくつかのデータセンターグループが存在し、いくつかの通信事業者もその分野で積極的な姿勢を見せていると説明しました。

 

フィリピンは、地理的に、東南アジアでの戦略的な位置づけから、ハイパースケーラーにとって魅力的な場所と見なされています。また、再生可能エネルギーにおいても大手企業が進出しており、これらが成長に寄与するとの見方です。

 

情報通信技術省によれば、2025年までにデータセンターのキャパシティーは、現状の5倍の300メガワットに増加する見通しです。政府は再生可能エネルギーの拡大を目指しており、2024年から2026年までに約50,000メガワット相当の再生可能エネルギープロジェクトが計画されています。

 

キーワード②「REIT市場」の多様化と拡大

不動産リサーチ会社・Colliersは、フィリピンの不動産投資信託(REIT)市場の多様化と拡大を期待しており、これが国の不動産市場をより活性化させると見ています。

 

Colliersのディレクター兼リサーチヘッドであるJoey Roi Bondoc氏は、「今後、フィリピンでのREITの積極的な拡大を予測しています。ディベロッパーは、ビジネスパークやデータセンター、コワーキングスペース、賃貸マンションなど、多様な資産クラスの売却の可能性を模索していると考えています。」と述べました。さらに、クライアント企業には、インフラ、再生可能エネルギー、小売・商業施設、ホテルなどのREIT化の可能性を検討することを推奨しています。

 

さらに同社は、REITとその関係者は規制環境に注意を払うべきだとし、議会に提出されているREIT法(共和国法第9856号)の修正案や新しい対策および規定がセクターに対してどのように阻止、または推進するかを把握する必要があると付け加えました。

 

3月までには、下院はREIT法を修正することを目的としたHouse Bill No. 7525を承認し、上院に提出される見込みです。提案された修正のなかには、REITに対してスポンサー企業によって実現された収益の受領から1年以内に再投資することを要求するものや、REITが再投資計画を証券取引委員会(SEC)およびフィリピン証券取引所に提出し、年次認証を取得して計画に準拠していることを証明する必要があるものなどが含まれています。

 

またColliersは、不動産ディベロッパーは、投資家にとって最高の配当を提供する資産クラスを売却することを検討すべきとしています。

 

杉原 杏璃 氏登壇!
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
(入場無料)今すぐ申し込む>>

次ページコロナ禍からの回復が続く「オフィス市場」

※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧