“株価の下落”が怖いなら…新NISA「成長投資枠」を活用した「債券ファンド投資」がおすすめな理由【投資のプロが解説】

“株価の下落”が怖いなら…新NISA「成長投資枠」を活用した「債券ファンド投資」がおすすめな理由【投資のプロが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

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「自国通貨建て国債」ならデフォルトはない

債券投資のリスクの2つ目は「デフォルト(債務不履行)」です。

 

前節では、物価を考慮した「実質の世界での下落」についてお伝えしました。自国通貨建ての国債に投資する際には、「名目の世界での元本割れ」はないと想定してよいでしょう。そして、これこそが「下落を恐れる長期投資家にとっての安心材料」でしょう。自国通貨建ての国債は、中央銀行が無制限に買い取ることができるため、デフォルトは考えられません。

 

1点細かくいえば、ユーロ建てのユーロ加盟国国債は、各国の中央銀行・NCBsにユーロを自由に発行する主権がないため、自国通貨建て国債とは考えないほうがよいでしょう。2012年のギリシャ国債がそのケースです。

 

(通貨発行の主権を有する)中央銀行が存在するかぎり、自国通貨建ての国債のデフォルトは考えられませんが、企業が発行する事業社債や、外貨建て(自国通貨ではない通貨)で発行される国債にはデフォルトの可能性があります。

 

「米国債」より「米ドル建て新興国国債」のほうがリターンが高かった4つの理由

では実際に、デフォルトが債券投資のリターンにどの程度、影響してきたのかをみてみます。

 

[図表2]は「米ドル建て新興国国債」、「米国ハイ・イールド債券」、「米国投資適格社債」、「米国債」の実績リターンや利回りなどを比較したものです。

 

[図表2]主要な米ドル建て債券の利回り
[図表2]主要な米ドル建て債券の利回り

 

【右から2列目】の「実績リターン」をみると、共通のデータが取れる1993年以降でもっともリターンが高かったのは「米ドル建て新興国国債」、次にリターンが高かったのは「米国ハイ・イールド債券」です。

 

「米ドル建て新興国国債」や「米国ハイ・イールド債券」は、この間にそれぞれ、テキーラ・ショック(1994年)、アジア通貨危機(1997年)、ロシア財政危機(1998年)、米企業不正会計問題(2001~2002年)、世界金融危機(2007~2009年)などを経験しており、それらのたびに、少なくないデフォルトを経験してきました。

 

それでも、これらのリターンは「米国投資適格社債」や「米国債」のリターンを上回っています。

 

信用力が相対的に劣る「米ドル建て新興国国債」や「米国ハイ・イールド債券」のリターンが、「米国投資適格社債」や「米国債」のリターンを上回った要因として、次のような点が考えられます。

 

すなわち、

 

1.発行時に、(今後)デフォルトしても部分的な補償がなされるように値付けがされ、その補償・保険として高いクーポン(発行利率)が設定されていた

 

2.デフォルトしても(=期日に元利払いがなされなかったとしても)元本全額がゼロになるわけではなく、部分的に返済がされたり、満期が延長されたりして、元本の一部or全部が回収された

 

3.デフォルトや信用悪化で下落する景気後退は短期間であり、それらがない景気拡大の期間はそれよりも長かった

 

4.米国ハイ・イールド債券の場合、2020年のパンデミックでは、米連邦準備制度理事会(FRB)による買い入れ対象となり、また、米政府が企業に対して信用補完を行ったために、同市場が安定化した

 

といった点です。

 

こうした状況は現在も今後も同様と考えられます。もちろん、債券に投資をする場合にも、さまざまな債券に分散投資をすることが基本です。

 

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