「リスキリングに取り組んだ」との回答は2割にとどまる
調査はZenkenが全国のITエンジニアを対象に7月28~30日に実施し、200件の回答を得た。アンケートで「リスキリングに取り組んだことがあるか」と聞いたところ、「ない」との回答が80%だった。「ある」との回答は20%にとどまった。
リスキリングに取り組んだITエンジニアに「どのような内容に取り組んだか」と質問したところ、「クラウド技術」(52.5%)がトップ(複数回答)。クラウドはコスト削減やBCP(事業継続計画)対策などで注目されており、学び直しの対象になっていると見られる。「プログラミング」(50%)、「情報セキュリティー」(50%)が続き、3つの項目の回答が半数以上に達した。
このほか、「データ分析」(37.5%)、「英語(語学)」(32.5%)、「マネジメント」(30%)との回答もそれぞれ3割以上に達した。人材不足を受けて、外国人のITエンジニアを採用する企業の動きも出始めており、英語など語学能力を向上させようとする人も多いようだ。このほか、「コミュニケーション」(12.5%)、マーケティング(7.5%)、経営戦略(7.5%)との回答もあった。
リスキリングで「年収変わらず」が75%、賃上げ渋る企業
「リスキリングにより年収に影響があったか」と聞いたところ、「変わらない」との回答が75%に達した。「上がった」は17.5%、「下がった」は7.5%だった。この結果からは、企業がデジタル技術を高めた人に対しても賃上げをしていないことが浮き彫りになった。人手不足の中、能力の高い人材の確保が重視される中、企業は高い技能を持つエンジニアへのさらなる賃上げを求められそうだ。
「リスキリングに取り組んでいない」と答えた人に理由を聞いたところ、最も多かった回答は「時間の余裕がないから」(45.6%)だった(複数回答)。「何をしたら良いかわからないから」(26.3%)、「必要だと感じていないから」(20.6%)が続いた。「お金がないから」も13.8%に達した。
アンケートで「リスキリングによる良い影響はあったか」と質問したところ、最も多かったのは「仕事の幅が広がった」(50%)だった(複数回答)。新しい分野のスキルを向上させたことにより、できる仕事が増えたと見られる。「モチベーションアップ」との回答も30%に達した。このほか、「昇進できた」(10%)、「転職できた」(7.5%)、「副業できた」(7.5%)との回答もあった。一方、「良い影響はまだない」との答えも30%に達した。
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